We are Kinko's ~FSC®CoC森林認証取得への挑戦~

“お客様との新しい繋がりになっていって欲しい”

2023年6月より取り扱いを開始した、FSCⓇ認証マーク入り印刷物の提供。
今回はFSCⓇCoC森林認証(以下、認証)の取得に関わったメンバーから、なぜキンコーズが、
今このタイミングで取得を行ったのか、取得に向けて苦労や想い、そして今後のキンコーズをどう変えていくのか

FSCⓇ認証は、環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みです。CoC認証は、森林認証制度に対応した森林から産出された林産物の適切な加工・流通を認証するもので、原則、伐採、加工、製造、流通、印刷など全ての過程でCoC認証を取得した業者の手を経た印刷物だけにFSCⓇ認証マークを付けることが許されます。

<当社が取得した認証>
キンコーズ直営店および生産施設は、2023年5月23日にFSCⓇCoC森林認証を取得しました。
(認証番号:SGSHK-COC-350826/ライセンス番号:FSCⓇ C189506)

村田さん
野上さん
小出さん
佐藤さん

村田:製造を担う、生産管理部の統括・全体管理を担当しています。また、そこに関わる調達から、つくる管理全般の管理責任者の業務を担当しています。

野上:広報・サステナビリティ推進部でマネージャーをしており、部門としては広報・ブランディング・サステナビリティ推進の3つのテーマを担当しています。昨年は推進室だったチームが今年度から部となりました。サステナビリティを全社推進していく体制づくりに取り組んでいます。

小出:生産管理部の製造拠点であるSPC(Secured Production Center)の東京・大阪の管理業務を行っています。FSC®に関しては、トレードマークの管理責任者も担当しています。

佐藤:生産管理部の中で、調達を担当しています。全国の店舗やSPCで使用する機器、資材の調達、取引先の調整をおこなっています。

スタートに向けての想いは同じ。誰が動き出してもおかしくない状況だった

野上:紙を扱う会社として、この環境取組みは必要・義務であると考えていました。FSC®は、将来世代のために森を大切にするお手伝いにも繋がりますし、社内からも取得してほしいという声が多かったことも動き出すきっかけになりましたね。そんな想いから、生産管理部へ相談しました。

村田:野上さんからお話をもらった時、実は丁度生産管理部でも動き出したところだったんです。社会動向からも、環境・ESGといったことを耳にする中、特にFSCⓇは目にすることも多く、気になっていました。そんな中、会社方針がサステナビリティ推進に向けて加速していき、生産管理部の中で佐藤さんから提案がありました。

佐藤:調達といった立場から、社内からの取得してほしいという声や、協力会社動向からも、FSC®はずっと気になっていました。そして調べていく中で、今このタイミングを逃すと乗り遅れる、そんな想いから更に調査を進め、今回の取得に向けてご協力いただいた、SGSジャパンさんのセミナーなどにも参加するようになりました。

小出:製造現場の方にも営業メンバーからの相談が増えて来ていたことから、佐藤さんからの提案は即賛成でした。今後サステナビリティに力を入れていく会社の、いい刺激や変化になる、そして営業メンバーや店舗のメンバーからの希望にもこたえられるといったことから、とても前向きに賛同しました。

村田:とくに社内からの要望は、ここのメンバーは特に聞くことも多かったので、取得に向けて動き出したことを伝えると、「ありがとう」「よかった!」といった声も貰っていますね。

取得に向けては、それぞれに苦労の連続

佐藤:苦労は本当に多かったですが・・・やっぱり最初の手探りで要件を整理するところは特に大変でしたね。ざっくりと進め方はわかったのですが、何をしていくのかは聞いていかないとわからなくて。マニュアル作成では、キンコーズのオペレーションへの落とし込みが大変でしたし、学習用のe-ラーニングは学びとして価値が無くてはいけないという点から、間違ってはいけない、多くのスタッフによく理解してもらうためにはどうしたらいいかと、プレッシャーもありました。

野上:e-ラーニングでの学習は、キンコーズの忙しい時期に被っていたのに、受講スピードが今までのe-ラーニングにはないぐらい早くて、注目度の高さを感じましたね!

村田:作り方も良くって、クイズなんかも最初5問だったのが15問になったり、こだわりと熱を感じましたね。

小出:自分は運用ルールの構築を担当したのですが、まずは自分の理解も大変でしたね。先ほどの佐藤さんの話にもありますが、関わる社員が多いことから、スタッフの誰が見てもわかりやすいよう、複雑になりすぎずしっかりと要件を落とし込んだルールを作り上げることを意識して、マニュアルも作成していきました。でもある程度過去にもFSC®を調べたこともあり、覚悟はしていましたね。

野上:苦労というか・・・まず思ったことは、こんなに時間がかかるものなのか!と驚いちゃいました。当初はもっと早めの取得を希望していたのですが、承認待ち企業が沢山あるとのことで、希望よりは後になってしまいましたが、実際に動いてみると、思っていたスケジュールでは無理だと実感しましたね。あとは、取得する意義や効果、キンコーズの売り上げにどう影響が出てくるか、会社として取り組みへの優先度を上げるため、関係各所へご理解いただけるよう動きました。否定的な意見は特になく、どの部署や関係者からも取得に関しての感触は当初から良かったです。

村田:自分はとにかくマニュアルの理解読み込みの部分ですね。分厚いマニュアルをまずは理解し、それをベースにキンコーズのオペレーションへの落とし込んでいくことが大変でしたね。本当に3日間会議室にみんなで缶詰め状態で集まっていましたね。

野上:本当に膨大な量でしたね!

村田:チーム体制で実施していなかったら、完成していなかったですね。調べては聞いて、を繰り返して、確認する箇所も多かった。店舗体制でやっていること、関わる人が多いことからも、理解してもらえるように噛み砕いていくことが大変でしたね。

野上:もう3日目には、村田さんは膨大な資料の中から、どのページに何が載っているかわかるようになっていましたよね。(笑)

村田:審査も大変でしたね。キンコーズは拠点が多いので、東京だけでなく名古屋・京都・大阪の店舗での審査あもあり、店長さんを中心にいろんな方にご協力いただきました。従業員インタビューなどもあり、販売や製造にかかわる方だけでなく、経理や人事といった部門、就業形態、国籍、性別等すべての方にご協力いただきました。

佐藤:審査はご担当された方からも高評価をいただけたのは、本当いろんな方の協力合ってこそでしたね。審査もクリアし、無事に認証を取得は出来ましたが、まだ実際に製品を出荷してみないとわからないので、一息つきたいところではありますが、これからが本番ですね。

小出:実際に始まってからも、稼働して初めてわかってくることや、より良い方法の模索など、新しいフェーズも始まってきますね。今は少し待ちのフェーズでしたが、これから相談が増えてくることでいろんな新しい課題もでてきそうですよね。

村田:やっとスタートライン。これがきっかけで今後キンコーズのサステナビリティ活動が進化していく、きっかけになるのではと、楽しみではありますね。需要が増えていけば役割も増えていく、お客様との新しい繋がりになっていって欲しいですね。

野上FSC®マークのついた商品って実は身近にあったりします。それをキンコーズでも作れるようになったことは嬉しいことですよね。お客様にも社内メンバーにも、FSC®認証品の意味、大切さをしっかりお伝えしていきたいと思っています。

認証を取得してからが、本当のスタートライン

佐藤:今後に関しては、まずは体制として、より盤石になるよう進めていきたいです。そして展望としては、現在は製造拠点を絞っていますが、キンコーズ全店で受付けだけではなく、生産対応まで出来るようになることが目標ですね。自分は資材調達も担当しているため、用紙のラインナップも増やしていき、何の素材を選んでもFSC®になるという状況を生み出していきたいですね。
小出:佐藤さんからもありましたが、どれを選んでもFSC®という状況は作っていきたいですね。キンコーズを使えばエコに繋がるといったイメージを作り出せるぐらい、生産現場からもキンコーズブランドの発展に貢献できればと思っています。

村田:生産管理部としては、もうお二人の言葉通りですね。これから認知活動も更に行っていき、FSC®取り扱いの認知が増えて声がかかる、そうした効果が出てきてほしいですね。そして新たな挑戦としては、廃棄物を削減していきたいですね。印刷し終わったものを別のモノに変えていくことにもチャレンジしてみたく、自社だけでなく、他の企業との協業もしつつ、新しいことにも挑戦していきたいですね。

野上: キンコーズにはオンデマンド(1つからつくれる!)=無駄を生まない、このDNAがあります。また今年、5つのマテリアリティを特定し、 その一つが「有限な資源の有効利用と、気候変動への対応」です。無駄を生まないオンデマンド×環境貢献商材の展開、ってキンコーズだからできることだし、取組み続ける必要があることだと思っています。「オンデマンド=サステナブル」って思ってもらえるように今後も取組みと発信をしていきたいです。

今回はFSC®CoC森林認証の取得に向け奮闘した、4名の方にインタビューさせていただきました。
ここからが本当のスタート地点。FSC®を皮切りに、これからのキンコーズの在り方が進化していく、
どんな未来を私たちにキンコーズは見せてくれるのか、楽しみですね。

文・写真:広報・サステナビリティ推進部

※記載されている内容は、2023年6月時点の情報です。ご覧いただいた時点で、情報が変更されている可能性がありますのであらかじめご了承下さい。