ホーム お役立ちコラム 【法人向け】年賀状じまいをチャンスに変える3つの戦略
公開日:2025.10.28
「年賀状じまいを検討しているが、取引先との関係悪化が心配」「単なるコストカットで終わらせたくない」と不安に感じている経営者や総務担当者は多いのではないでしょうか。
しかし、年賀状じまいを単なる「廃止」ではなく、「新たなコミュニケーション戦略への転換」と捉えれば、むしろビジネスを加速させるチャンスに変えられます。
年賀状じまいで顧客とのエンゲージメントを高めて、ビジネスチャンスにつなげる方法は以下のとおりです。
- デジタルツールを導入する
- 季節の挨拶状やビジネスのお礼状を活用する
- 年賀状以外の付加価値の高い販促物への代替を検討する
この記事では、年賀状じまいを成功させ、顧客との関係性を強化してビジネスチャンスにつなげる具体的なステップと戦略を紹介します。
年賀状じまいをビジネスチャンスに変える3つの戦略
年賀状じまいを単なるコスト削減で終わらせず、顧客とのエンゲージメントを高めてビジネスチャンスに変えるための戦略をご紹介します。
戦略①デジタルツールを導入する
年賀状じまいを機に、新年の挨拶をデジタルツールに移行する方法は、顧客データの取得と活用のチャンスにつながります。多くの企業がペーパーレス化や業務効率化を理由に年賀状を廃止している背景には、デジタル化の推進という目的があるため、本格的なデジタルシフトを進めるべきです。
デジタルツールの挨拶の活用例を以下の表にまとめました。
<デジタル挨拶の活用例>
| ツール | 目的 | メリット |
| メール、メルマガ | 個別のメッセージ配信 | 顧客行動のトラッキング(開封率)が可能 |
| 企業サイト | 挨拶ページの公開 | アクセス解析による顧客関心度の把握 |
| SNS | 親しみやすい新年の挨拶 | リアルタイムなコミュニケーションの促進 |
たとえば、新年の挨拶をメールや企業サイトのお知らせで済ませる際に、単なる定型文ではなく、パーソナライズされたデジタルコンテンツ(動画メッセージや特別キャンペーンページなど)への導線を作れば、顧客の関心を引きつけられます。この行動により、顧客のクリックデータや開封率などの行動履歴を分析でき、今後の販促活動に生かせます。
また、メールアドレスやSNSアカウントなど、年賀状では得られなかった顧客接点の確保にもつながります。
戦略②季節の挨拶状やビジネスのお礼状を活用する
新年の年賀状を廃止する代わりに、季節の挨拶状やお礼状を充実させると、より「気持ちの伝わる」パーソナルな関係構築にシフトできます。年賀状は「虚礼」と見なされ形骸化しがちですが、年賀状以外のタイミングで送る手紙やハガキは、相手への感謝や配慮がより強く伝わるため、差別化できます。
具体的には、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」といった季節の挨拶状に、手書きの一文を添えると、形式的なやり取りから脱却して、特別感を演出できます。また、案件完了後の「お礼状」を定期的に送付する方法も有効な戦略です。
この行動は、新年の忙しい時期を避け、顧客が落ち着いているタイミングで接点を持つため、記憶に残りやすく、リピート受注のきっかけ作りにもなります。
戦略③年賀状以外の付加価値の高い販促物への代替を検討する

年賀状にかかっていたコストやリソースを、顧客にとってより価値の高い販促物やコミュニケーション施策に振り分けて、関係強化を図るべきです。年賀状の印刷費や郵送費は枚数が多い企業ほど大きなコスト負担となっているため、その予算を付加価値の高い販促物への代替に充てれば、費用対効果を高められます。
具体的には、新年の挨拶を兼ねた「ノベルティグッズの送付」や「企業カレンダーの作成」、「顧客限定セミナーへの招待状」などが効果的です。ノベルティグッズは実用性の高いものを選ぶと、顧客の日常で企業名が目に触れる機会が増え、ブランド想起につながります。
年賀状じまいのお知らせで、新しい販促物や挨拶の形について軽く触れることで、顧客の期待値を高めることも大切な戦略です。年賀状の代わりとなる販促物は、顧客に「年賀状はなくなったけど、代わりによいものが届いた」と思わせるような付加価値を持たせましょう。
企業が年賀状じまいを成功させるための3つのステップ
年賀状じまいは、単なる事務手続きではなく、企業イメージと顧客関係に影響する大切な取り組みです。失敗を防ぐためのステップを紹介します。
ステップ①廃止の目的と新しい挨拶の方針を明確にする
年賀状じまいをはじめる前に、社内で明確な目的と、新しいコミュニケーション方針を明確に定めなければなりません。企業が年賀状を廃止する理由として、環境・SDGsへの配慮、デジタル化の推進、コスト削減などがあげられるため、自社の取り組みと社会情勢の一致を対外的に示せるよう準備しましょう。
また、目的が曖昧なまま廃止すると、顧客からは「経費削減だけが目的か」「形式的な挨拶を怠った」とネガティブに受け取られかねません。新しい挨拶の方針を具体的に決定して、社内で統一した認識を持つことが、対外的な説明の説得力を高めます。
ステップ②取引先へ丁寧に告知する
年賀状の廃止を決定したら、失礼のないよう適切な時期と方法で、取引先に丁寧に告知することが大切です。告知は、年賀状を出す時期より早いタイミングで行うのがマナーとされており、一般的には11月上旬~12月上旬までには完了させるべきです。
>【法人向け】「今年で年賀状は最後に」年賀状じまいを出すならこちら
「今年限りで年賀状での挨拶を控えさせていただく」旨を記載して、その理由と、今後の挨拶方法を明記すれば、理解を得やすくなります。告知は、今年最後の年賀状に一筆添える、または単独で案内状(はがき)を送付するなどの方法があります。
単独で送る場合は、丁寧な文面で送付し、「すべてのお取引様へ一律にご案内している」というニュアンスを伝えれば、角が立ちにくいです。
ステップ③年賀状じまい後のフォローアップで関係を維持する
年賀状じまいの告知が完了したら、新しい挨拶方法でのフォローアップを徹底して、関係性を維持・強化するための施策を実行に移します。年賀状を廃止しても、感謝を伝える手段を失ってはならないため、廃止後のフォローアップは顧客との関係性を測るバロメーターです。
新年にメールで挨拶を送ったり、季節の挨拶状やお礼状を送付したりすることを忘れてはいけません。年賀状のやり取りが長かった取引先に対しては、新年の初営業日や年始の挨拶回りの際に、口頭でも感謝の意を伝えて、よりパーソナルな対応を心がけましょう。廃止によって空いたコストやリソースを、施策に充てれば、年賀状廃止がポジティブな変化であったと顧客に感じてもらいやすくなります。
年賀状じまいのメリット・デメリット
年賀状じまいには、メリットもデメリットも存在します。それぞれ詳しく解説していきましょう。
メリット
年賀状じまいは、企業のコスト削減や業務効率化に大きく貢献するだけでなく、対外的な企業イメージの向上にもつながるというメリットがあります。
- 経費削減
印刷代やはがき代、郵送費、人件費など、年賀状にかかる費用を大幅に削減できます。例えば、日本郵便による郵便料金の値上げ(はがきは63円から85円へ)があり、年賀状にかかる費用を無視できない水準に押し上げている実態があります。 - 業務効率化
住所録の管理、作成、宛名書き、投函といった年末の煩雑な作業時間を削減して、ほかのコア業務に集中できます。 - SDGs・環境配慮への貢献
紙の使用量を減らして、ペーパーレス化を推進すれば、環境に配慮した企業姿勢を示すことができます。 - デジタル化の促進
新年の挨拶をメールや企業サイトに移行すれば、企業のデジタルシフトを加速させるきっかけになります。
企業によっては、デジタルでの挨拶をきっかけに顧客とのエンゲージメントを高める新たな機会の創出も可能です。
参考:2025年用年賀はがき販売開始、22円アップの85円|日本経済新聞
デメリット
年賀状じまいのデメリットは、形式的であっても続いてきた伝統的な習慣を断ち切るため、一部の取引先との関係性の変化や、手間が発生しかねません。
- 関係性の希薄化
年配の経営者が多い企業や年賀状を重視する取引先に対して、形式的な挨拶を断ち切ると、関係性が希薄化したり、印象が悪くなったりするリスクがあるでしょう。 - 伝統・文化の喪失
長年続いてきた日本の新年の伝統的な挨拶を断ち切ることになります。 - 告知作業の手間とコスト
年賀状じまいの通知はがきやメールの作成・送付に、時間とコストがかかります。 - 返礼対応の必要性
手から年賀状が届いた場合、寒中見舞いで返礼する必要があり、年末年始の業務が完全にはゼロにならないでしょう。
このように、年賀状のやり取りを通じて築かれてきたコミュニケーションの機会が失われ、取引先の最新の状況や人事異動などの情報を得る機会が減る可能性もあります。
- 年賀状じまい後の販促物ならキンコーズへ
年賀状じまいでよくある3つの質問
年賀状じまいでよくある質問を紹介します。それぞれ詳しく解説していきましょう。
質問1.年賀状じまいのお知らせはがきに書くべき必須項目は何ですか?
年賀状じまいのお知らせはがきに記載する必須項目としては、以下があげられます。
- 謹んで新春のお慶びを申し上げるなどの年頭の挨拶(省略も可)
- 日頃の感謝
- 年賀状を廃止する旨
- 廃止する理由(例:環境への配慮、デジタル化推進など)
- 今後の挨拶方法(例:メールや企業サイトにて)
- 変わらぬお付き合いをお願いする言葉
また、「どなた様にも一律で廃止する」というニュアンスを伝えると、角が立つのを防げます。
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質問2.年賀状じまいを一方的に送ることは失礼にはならない?
一方的な通知は避けるべきですが、「すべてのお取引先様へ」という一文を添え、会社の方針として一律で実施する旨を丁寧に伝えれば、個別の関係を断ち切る意図ではないと理解してもらえます。
事前に電話などで一報を入れる方法も、重要度の高い取引先には有効です。また、通知文に廃止の背景(例:SDGs、ペーパーレス化)を明記して、現代の社会的な流れに沿ったものであることを示して、理解を求めましょう。
質問3.年賀状じまいを出した相手から年賀状が届いたらどうするべき?
年賀状じまいの通知を出した後でも、相手から年賀状が届く場合はあります。この場合、松の内(一般的に1月7日まで)が明けてから、「寒中見舞い」として返礼を出すのがマナーです。
寒中見舞いには、年賀状をいただいたことへの感謝を伝えつつ、改めて年賀状を控えさせていただく旨を丁寧に記載しましょう。この対応により、引き続き相手を尊重する姿勢を示せます。
年賀状じまいをビジネスチャンスに変えよう!
年賀状じまいは、単なる「終活」ではなく、企業のデジタル化推進、業務効率化、顧客とのより強固な関係構築を実現するための「戦略的な転換点」です。
年賀状の廃止によって生まれたリソースとコストを、デジタルツール導入や付加価値の高い販促物への代替に充てて、ビジネスチャンスを生み出しましょう。以下のステップで進めていくと、顧客とのよい関係が続けられます。
<企業が年賀状じまいを成功させるためのステップ>
- ステップ①廃止の目的と新しい挨拶の方針を明確にする
- ステップ②取引先へ丁寧に告知する
- ステップ③年賀状じまい後のフォローアップで関係を維持する
この機会に、時代に合わせた新しいコミュニケーション戦略を構築して、持続的な成長を目指してください。
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