ホーム お役立ちコラム 働き方改革とは?その課題と取り組み事例をご紹介!
公開日:2020.06.12
働き方改革とは?
その課題と取り組み事例をご紹介!
2019年4月から厚生労働省から働き方改革の法案が発表され、大企業は法改正に伴い、労働時間の削減や有給休暇の優先取得の推奨など労働環境改善の取り組みが行われています。
2020年4月からは中小企業にも時間外労働の上限規制が適用され、これまでは超過した場合でも行政指導のみでしたが、今後は罰則が科せられる恐れも。それを避けるためには、働き方改革とその法案を理解することが大切です。
この記事では、働き方改革の概要とその課題をご紹介します。自社の労働環境の見直しに、ぜひ役立ててください。
働き方改革とは?
働き方改革とは、労働力不足を解消するための労働環境改善の取り組みです。この先日本の労働力人口は少子高齢化の影響で減少し、労働者一人にかかる負担が増え、生産性の低下が懸念されています。
政府広報オンラインで発表されている日本の人口構成の推移では、2015年の15~64歳までの生産年齢人口は7,629万人ですが、2060年には4,418万人まで減少すると予想しました。現状の少子高齢化が進むと2060年の総人口は約9,000万人にまで推移する計算です。
この状況を打破するために働き方改革によって働き手を増やすことと労働生産性を向上させ、労働力不足を解消することが目的です。
格差をなくし働き手を増やす
働き手を増やす対策は労働市場から離れた方に働く機会をつくることです。結婚して家庭に入った主婦(主夫)や定年退職を迎えた65歳以上の元気な高齢者に労働環境を提供して、働いてもらうことが目的です。
しかしこの層は、育児や介護の負担を抱える場合があり、正社員と同じフルタイムの働き方を選択することができない人もいます。働く側も賃金格差や福利厚生に差が生じては、働く気持ちも低下しかねません。
そこで厚生労働省は雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を目指し、同一労働同一賃金ガイドラインを設けました。これは同一企業で正規雇用と非正規雇用の待遇差が存在する場合、その待遇差が合理的なものかを具体例を示して判断できる規定です。
多くの世代を雇用する企業は、雇用形態の差を無くし、各個人の環境に合わせて働き手を維持することを目指しましょう。
長時間労働を見直して労働生産性を向上させる
長時間労働による過労は、働き手にとって深刻な問題です。これまでの労働基準法での労働時間は1日8時間、週40時間ですが、残業時間には法律の上限が設定されていませんでした。上限を超えても行政指導のみで罰則はないため、結果として長時間労働を無くすことはできず、働き手に負担が増える一方でした。
しかし、2019年4月から大企業に対し時間外労働の上限規制が適用され、法改正以後は法律で残業時間の上限を定め、これを超える残業を行った際は違反になり、場合によっては罰則が科せられます。2020年4月からは中小企業もその対象となったため、雇用主は自社の就業環境と労働時間を念入りに確認しましょう。
働き方改革の課題
労働力不足解消のために働き方改革に取り組むことは重要ですが、一方で急な職場環境の改善を実施することは困難と言えます。特に長時間労働の解消には人員確保や業務フローの改善が課題となり、また取引先へ提示して理解を得ることも求められます。大きな課題は以下の3点です。
1)長時間労働の要因を根本から解消が課題
仕事を持ち帰って自宅やカフェで残業してしまう。残業を抑制する周知だけなら簡単な作業ですが、社員が対応できる状況になっているかを確認してください。
労働時間の抑制とともに仕事量を減少させれば、仕事の持ち帰りや無断で残業することの防止に繋がります。
残業をすることは違反ではなく、時間に制限がある点を留意して、申請しづらい雰囲気にならないよう、部門の責任者はメンバーの業務進捗に配慮することも大切です。
2)業務内容の見直し
やらなくていい仕事が増えれば労働量は減ります。
過去から続く業務を伝統のように継続している場合がありますが、現在も必要な作業かどうか見直して、不要だと判断できれば今後その業務にかかる時間は発生しません。
業務の空いた時間には作業後の見直しやチェックに充て、労働生産の質を維持することに繋げましょう。
3)改革推進のために費用が発生する
社員の負担を軽減するために人員を増員して作業を分担することは効果的ですが、その分人件費が増えます。
また人員の指導には時間も労力もかかり、結果として現場の負担だけが増えて改善できずに終わるというリスクが懸念されます。
厚生労働省では働き方改革の支援として、キャリアアップ助成金や業務改善助成金といった支援で企業のサポートを行っています。
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の労働者を正社員化した場合に、一定の助成金を給付する仕組みですので積極的に活用してはいかがでしょうか。他にも時間外労働等改善助成金もありますので、自社に適用できるか確認してみましょう。
出展:『助成金のご案内 | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省』
働き方改革の取り組み事例をご紹介!
働き方改革を進める企業が実施する取り組み事例を紹介します。
実際に取り組んだ企業は、導入前と違って従業員満足度の向上や経費の削減といった成果を得ています。
一方で働き方を支援する企業の中には、オンライン上でのデータ入稿や、社外にいても印刷依頼ができる仕組みを提供する会社もあります。
下記の事例と併せて、オンラインサービスの導入を検討してはいかがでしょうか。
職場を限定しないテレワーク
テレワークには通勤時間を自分の時間として使えるメリットがあり、企業は交通費が削減できるため、双方にとって有益な取り組みと言えます。
企業によっては週のうち何日まで在宅可能とするかは異なりますが、災害等で出勤ができない場合でも、業務の遂行に支障をきたしません。
勤務場所を限定しないテレワークは、出張先から帰社せずに途中のカフェで勤務することができ、社員の拘束時間を削減することに繋がります。
また、ビデオ会議の導入によって会議場所への集合が不要ですので、移動に伴う経費を削減できるメリットがあります。資料はオンライン上で共有しておけば、急な修正が発生しても社外からアクセスして対応が可能です。
所定外労働の削減に向けた現実的な取り組み
情報通信企業の残業を防ぐ取り組みは、発注者との納期調整と、派遣社員を増員して作業の分担化を行い、月45時間以内の残業を徹底しています。具体的な施策として、毎週水曜日を「ノー残業デー」として定時退社を推奨し、日曜出勤の禁止によって残業時間を抑制しました。
平日と土曜日の22時以降はコンピューターへの接続が出来なくして深夜残業を不可能とするなど、定時退社を促す周知や仕事を早く終わろう!という精神論だけでなく、物理的な改善を実施する取り組みが成功に繋がります。
プリンター設備の課題を解消
外回りの営業中や在宅勤務をしている時にネックとなるのが、自宅にプリンターを設置しておらず業務に支障をきたすことです。大量印刷をプリントアウトした書類に記入する場合は、印刷設備は不可欠です。
働き方支援のサービスの中には、コンビニで印刷したり、その際の費用をキャッシュレスにできたり、生産性を低下することなく業務の遂行が可能です。
オンライン化を進めるにあたって、周辺設備の課題を解消していくことが労働環境の改善に繋がります。
おわりに
中小企業にも適用される働き方改革は、全社挙げて取り組むべき課題と言えます。今回紹介した働き方改革に関する内容は、取り組むことによって企業にも社員にもメリットが生まれます。
しかし、会社が働き方改革を奨励しても、実際に対応するのは現場の社員ですから、今日明日で完了させることは困難です。事例を紹介した企業も自社で公募して開始した施策もあれば、セミナーに参加してノウハウを得た企業もあります。
働き方改革の支援を行っている専門企業もありますので、このタイミングで利用することを視野に入れてはいかがでしょうか。
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