ホーム お役立ちコラム 入稿日とは?印刷に間に合わない・ギリギリのときの対処法と防止策
公開日:2025.09.08
印刷物の制作に欠かせない「入稿データの準備」は、制作工程の中でも特に緊張感のある作業です。入稿日に間に合わないと、印刷スケジュールが遅れるだけでなく、最悪の場合は予定通りに印刷ができなくなるリスクもあります。
とはいえ、入稿日とは何かを正しく理解し、事前に対策を講じておけば「ギリギリで間に合わない」という事態は未然に防げます。また、どうしても入稿が遅れそうなときでも、知っておくべき適切な対処法があります。
本記事では、入稿日に遅れないための予防策と、万が一間に合わない場合の具体的な対応方法について詳しくご紹介します。
入稿日とは

入稿日とは、制作した印刷物のデータを印刷会社に納品する締め切りの日を指します。印刷会社はこの入稿データをもとに印刷や製本の作業を進めるため、入稿日が遅れると全体のスケジュールに大きな影響が出てしまいます。
また、入稿日には「最終入稿日」と「納品予定日」という2つの重要な要素があります。最終入稿日は、データを完全に確定して提出する期限であり、この日を過ぎると納期が遅れたり、追加費用が発生する可能性があります。一方、納品予定日は印刷物が完成して手元に届く日です。これらの日時を正確に把握し、余裕を持って制作と入稿を進めることが、スムーズな印刷物制作のカギとなります。
入稿に間に合わない場合の対処法は3つ
どれだけ注意していても、予期せぬトラブルで入稿日に間に合わないことがあります。ここでは、入稿に間に合わないと判断したときに取るべき3つの対処法について解説します。これらを知っておけば、焦らず冷静な対処が可能です。
対処1:印刷会社や担当者へ即連絡・相談
入稿に間に合わないと分かったら、速やかに担当者に連絡しましょう。状況を正直に伝えることで、代替案やスケジュール調整の提案を受けられる可能性があります。相談時に伝えるべきポイントは以下の通りです。
- 遅延の理由と現状:なぜ遅れているのか、現在どこまで進んでいるのかを簡潔に説明する
- 具体的な入稿予定日:可能な限り入稿できる日時を伝える
- 希望する対応:入稿日の延長や納品日の調整の可否を尋ねる
無断で遅れるのではなく事前に連絡を入れることで、印刷会社もスケジュールの再調整がしやすく、より良い解決策を一緒に探せます。
対処2:作業の効率化とデータの簡略化
印刷会社への連絡と同時に、残り時間でできる限り作業を効率化しましょう。不要な装飾や複雑な加工を省き、データを簡略化することで作業時間の短縮が期待できます。
具体的には、画像の解像度を多少下げたり、レイヤーを統合してデータを軽量化する方法があります。ただし、こうした処理は印刷物の品質に影響を与える可能性もあるため、必ず印刷会社と相談しながら進めることが大切です。効率化の工夫で時間を節約しつつ、品質とのバランスを取ることがポイントです。
対処3:特急サービスや他社への依頼を検討
入稿がどうしても間に合わない場合は、料金は通常より高くなりますが、特急サービスの利用を検討しましょう。特急サービスは、通常より短い納期で印刷物を仕上げてくれるため、急ぎの案件で非常に頼りになります。
例えば、東京都内の一部エリアでは、入稿から最短3時間で印刷・納品を行う特急プランもあります。ただし、混雑状況や内容によっては利用できない場合もあるため、早めの問い合わせが重要です。
また、複数の印刷会社を比較し、より短納期で対応可能な他社を探すことも有効です。普段からサービス内容や納期、価格を調べておけば、緊急時でもスムーズに依頼先を決められます。
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入稿の遅れを防ぐための3つの予防策

入稿の遅れは、その後の印刷工程全体に大きな影響をおよぼしかねません。ここでは、入稿の遅れを防ぐために日頃から実践しておきたいポイントを解説します。これらの対策を事前に実行すれば、入稿作業をよりスムーズに進められます。
予防策1:スケジュールの正確な把握と余裕のある計画
入稿に間に合わなくなる原因の多くは、スケジュール管理が不十分なことにあります。まずは、納品予定日や印刷会社の締切日から逆算し、各工程に必要な時間を正確に把握しましょう。
デザイン、修正、校正、最終チェックなど、各作業にかかる時間を見積もり、余裕を持った計画を立てることが大切です。特に初めての印刷物や複雑なデザインの場合は、想定外の修正が発生しやすいため、スケジュールに余裕を設けることで急なトラブルにも余裕を持って対応できます。
このように、スケジュールを細かく分けて逆算し、余裕を持たせることで入稿の遅れを未然に防ぎ、全体の制作をスムーズに進めることが可能です。
予防策2:入稿前のデータチェックの徹底
データチェックを怠ると、印刷会社で修正や再入稿が必要になり、その分スケジュールに遅れが生じます。入稿前には、フォントのアウトライン化、カラーモードの確認(CMYK)、画像の解像度や塗り足しの設定など、基本的なポイントを複数人で確実にチェックしましょう。
また、PDF/X形式やJPEGなど印刷に適したファイル形式での最終データ作成も、不備を防ぐために重要です。チェックリストを作成し、入稿前に必ず確認する習慣を持つことで、ミスを未然に防ぎ、スムーズな入稿が可能になります。
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予防策3:担当者とのこまめな情報共有と相談
印刷会社の担当者とは、密なコミュニケーションを心がけることがトラブル防止の鍵です。進行状況をこまめに共有し、不安や疑問があれば早めに相談しましょう。
また、印刷会社が推奨する入稿データの設定や仕様について事前に確認しておくと安心です。もしスケジュールに遅れが生じそうな場合は、隠さず正直に担当者に伝えることで、一緒に最適な対応策を考えてもらいやすくなります。このように信頼関係を築くことで、入稿作業をスムーズに進めることができます。
入稿に間に合わない時によくある3つの質問
質問1:入稿日の締め切り時間に間に合わなかったらどうなりますか?
入稿日の締め切り時間に間に合わなかった場合、多くの印刷会社では受付が翌営業日扱いとなり、その結果、納期も後ろ倒しになります。納品が遅れるだけでなく、特急料金が発生する場合や、最悪の場合は注文自体がキャンセルになることもあります。
そのため、締め切りに間に合わないと分かった時点で、すぐに担当者に連絡し、状況を正直に伝えて対応を相談することが重要です。早めの連絡が、納期遅延の影響を最小限に抑える鍵となります。
質問2:入稿データの不備とは具体的にどのようなものですか?
入稿データの不備にはさまざまなものがありますが、代表的な例を以下に挙げます。
- フォントのアウトライン化がされていない
- カラーモードがCMYKになっていない
- 塗り足しが設定されていない
- 画像の解像度が低い
- リンク切れの画像がある
これらの不備があると、印刷物の仕上がりに影響が出たり、印刷工程が止まってしまったりします。そのため、入稿前には必ずこれらのポイントをセルフチェックし、可能であれば複数人での確認を行うことが安心です。ミスを防ぎ、スムーズな印刷作業につなげましょう。
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質問3:どのくらい前から入稿準備をはじめればよいですか?
入稿準備は、納品予定日から逆算し、十分な余裕を持って始めることが大切です。特に初めての印刷物やデザインが複雑な場合は、想定外のトラブルが起こりやすいため、制作開始から入稿までに1週間以上の期間を見ておくと安心です。
また、印刷会社の公式サイトで入稿に必要なデータ形式やチェック項目を事前に確認し、入稿データ作成のガイドラインを把握しておくと、スムーズな作業進行につながります。余裕を持った準備期間を設けることで、トラブルを回避し、予定通りの納品を実現しやすくなります。
まとめ
この記事では、入稿の遅れを防ぐための具体的な予防策と、万が一間に合わない場合の対処法について詳しく解説しました。
入稿に間に合わない事態は誰にでも起こり得ますが、事前の準備と適切な対応策を知っていれば、慌てずに冷静に対処できます。日頃からスケジュールに余裕を持った計画を立て、入稿前のデータチェックを徹底することで、遅延のリスクは大幅に低減します。
もし入稿が間に合わないと判断した際は、速やかに印刷会社に相談し、特急サービスや他社への依頼などの代替手段も検討しましょう。
この記事の内容を参考にして、入稿に関するトラブルを未然に防ぎ、スムーズな印刷物制作を実現してください。
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