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公開日:2018.05.31

3Dプリンターの歴史と今

3Dプリンターが話題になってから数年経ち、ニュースに取り上げられる頻度も落ち着いてきました。しかしこれは一過性のブームが去って廃れてしまったと言うよりは、むしろ使う人にとってあたりまえの技術になってきている事の裏返しでしょう。
さてここでちょっとした問題をひとつ。

「初めに3Dプリンターを考えたのは誰でしょうか?」

やはり3Dプリンターの大手メーカーがあるアメリカ人でしょうか?
いやいや、近年インクジェットプリント方式の3Dプリンターを実用化させたイスラエル人?

いいえ、実は日本人の小玉さんと言う方が1980年に世界で初めて誕生させました。
日本凄い!!! いえ、凄かった!のですが、当時は周辺の人々の評価が低く、結局特許申請を終える事はありませんでした。そのため、特許を取得したと言う意味で、最初に実用化に成功したのはアメリカの3Dシステムズ(3D SYSYTEMS)創業者であるCharles (“Chuck”) Hull氏でした。3D SYSTEMSは現在も、大手の3Dプリントメーカーとして健在です。もしもそのころ日本で評価されていれば、世界は代わっていたのかもしれませんね。

3Dプリンターブーム到来

そして2013年ごろ世界的にブームが起きました。火付け役となったのは、オバマ大統領が一般教書演説で3Dプリントに言及し、クリス・アンダーソン氏の「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」という本がベストセラーとなったのがきっかけですが、その背景には2009年の特許切れによる低価格の3Dプリンターの発売があります。

今まで高額だったものが安く買えてハッピー!というところですが、実際そうだったのでしょうか?

確かにブームになり、販売台数も増えましたが、まだ特許切れ直後の「20年前の技術」がベースになったものでした。メディアの演出どおり、安く、簡単に、誰でも、好きなものが作れる!と思って購入した人にとっては満足いくものではなかったかもしれません。
特許で守られていた昔の技術が安く買えたというだけですから。

最近の傾向

しかしブームはさておき、その後、しっかりと技術は進歩していきます。
日本にはまだあまりなじみが無いかも知れませんが、やっと日本でも正式リリースされたKickstarter(キックスターター)に代表される、クラウドファンディングサービスが広まり、先ほどの特許切れとの相乗効果で、数多くのリーズナブルな3Dプリンターが開発されていきました。

多くの技術者が参入し、しのぎを削ることで改良が短時間で重ねられた結果、初期の「安いがそれなりの性能」から、「安くても一定のレベルの品質」にまで進化してきており、簡単な試作には十分な性能になっている機種も多く存在します。

一方、産業用のハイエンドな3Dプリンターはどうでしょうか?特許に縛られて開発が進んでいないのでしょうか?いいえ、実際はさまざまな開発が進められており、昨年はCLIP製法という新しい方式を採用した3Dプリンターが実用化されたり、またHP社から別の新しい技術が採用された新製品が発売になるなど、「新しい」技術を採用した製品が生み出され、より実用化=最終製品として一般的に使用できる事を目指した開発が進んで来ています。

今までの産業レベルの3Dプリンターも、試作はもちろん、一部最終製品にも使われていましたが、より一層使用頻度が高まっていくことでしょう。

もはや航空宇宙産業では1gでも軽くする為に、1つでもパーツを少なくする為に、3Dプリンター無しでは設計が成り立たないようになっていますし、F1のレースでも実際に使用されている事は、知る人ぞ知る事実です。

この先、もっともっと身近なものに3Dプリンターで作られたものが広がって行くでしょう。そしてそれは誰も「3Dプリンターで作った」とは気が付かないかも知れません。

これからは

何かを始めるのに遅すぎる事は無いと言います。ブームが去り、地に足を着いた開発が着々と進められている中、近い将来に、3Dプリンターブームの時に夢見た世界が現実のものになっていくでしょう。少なくても、ものづくりの概念が少しずつでも変化して行っているのは事実です。

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