公開日:2018.05.01
3Dプリンターを安く使用する方法
3Dプリンターを安く使うにはどうしたらよいのでしょうか?
まず基本となる3Dプリントの価格については「3Dプリントの価格はどうやって決まるの?」の記事のように、材料をどれだけ使うのかによって大きく違います。
しかし、実はもう一つ大きく価格に影響がある部分があります。
それは、
「どの種類の3Dプリンターを使うのか?」ということです。
3Dプリンターの価格はどれだけ材料を使うのかによって決まりますので、同じ機種の3Dプリンターであれば大きさが小さくなれば安くなりますが、実は、3Dプリンターはその機種によって使用できる材料が異なります。当然、材料の種類が違えばその単価が違いますので、同じ3Dデータでも使う3Dプリンターによって価格が変わります。
つまり、材料が安い3Dプリンターを使うことで、費用が抑えることが可能です。
何が一番安い?
3Dプリンターの造形方式(仕組み)は、実にたくさんあります。
大きく7種類と言われることがありますが、現在も研究開発が進んでいますので、細かい違いを含めるともっともっと種類は多くなります。
ここではその中で凄く簡単に、主な3Dプリンターの造形方式を考えると、次の4種類があります。
- 粉末タイプ(粉末状の材料を固めるもの)
- インクジェット方式(UV硬化樹脂)
- 光造形方式(UV効果樹脂)
- 熱融解造形方式(ABSなどのプラスチック)
また、同じ造形方式でもプロ向け(工業用途)から、いわゆる家庭用と言われるものまで価格に大きく差があります。
造形方式が同じであれば、当然家庭用の方が安いですが、家庭用とプロ向けでは大きく品質に差があります。
それではプロ向けの機種で造形方式が異なると、どれが一番安くなるのでしょうか?
まず1の粉末タイプが比較的安価になる傾向にあります。
ナイロン焼結や、石膏固着のタイプが層です。
機械代金は数百万円~数千万円と高額ですし、設置環境を選ぶので一般に所有するにはハードルが高いですが、ほかに比べて材料単価が安い為、3Dプリントの価格は安くなる傾向にあります。
次に2のインクジェット方式と3の光造形方式ですが、こちらは造形方式が異なり作れる形状の得意不得意がありますが、手のひらに乗るサイズの同じ物を作ったときの費用感は同程度です。
しかし、1と比較した場合、1のほうが安価になる場合が多いです。
最後に4の熱融解造形方式ですが、数年前に一台3Dプリンターブームになった家庭用3Dプリンターに多く採用されている形式がこれです。
家庭用に採用されていると聞くと安価に思えますが、プロ向けは品質が全く異なり、その為に価格としては一番高くなる傾向にあります。
プロ向けだと高額になるものが、家庭用の3Dプリンターになると一番安価な方式になるのが、なんだか不思議ですね。
当然家庭向けの3Dプリンターは安いのですが、自分で解決しなくてはいけない事が多く、トラブルが多く発生します。
そのため、実際にサービスを提供する機械としては採用されている事は少ないようです。あくまで個人で楽しむものだったり、仕事でも手元に設置してとにかく速く造形する為のもの。
結局プロ向けで安いものを考えた場合、最終的には4の材料の粉を固める方式の3Dプリンターに軍配が上がります。
品質は?
それでは品質はどうなのでしょう?安かろう、悪かろうでは困りますよね。
答えは機種、造形方式によって品質は大きく異なる。ということです。
安いものが、見た目、寸法精度、強度が悪く、
高いものは、見た目、寸法精度、強度が良い
というのであれば簡単な話なのですが、どうやらそうはいかないようです。
品質は価格よりも、3Dプリンターの種類(機種、方式)によって大きく異なります。
そしてどれも見た目の綺麗さ、寸法精度、細部の再現性、強度など、それぞれの項目で一長1短があり、すべてが良いものは現時点で存在していませんので、目的に合わせて選択する必要があります。
単純に安いものを考えるのは当然のことではありますが、そうすると品質が犠牲になってしまい、実際に思ってた試作検証が出来ない、ということも考えられます。
闇雲にただ安いものを求めるのではなく、予算と求める品質のバランスが大事だと言えます。
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