公開日:2018.05.31
3Dプリンターとは何か
このコラムでは3Dプリンターの話題をたびたび取り上げていますが、大事なことを忘れていました。さて、3Dプリンターとは一体どんなものなのでしょうか?
積層技術?
魔法の箱?
産業用機器?
おもちゃ?
ここでは技術的な面を見て行きましょう。
3Dプリンターのしくみ
まず初めに、3Dプリンターは立体物を作るために使われます。
立体物は身の回りにあふれていますね。
形あるものはすべて立体物と言えるので、逆に立体物では無いものを探すのは大変なのですが、身近なものでは紙やパソコンのモニターに描いた絵や文字、TVの映像ぐらいでしょうか?
その為、3Dプリンターは立体物を作る機械=身の回りのものを何でも作れる=魔法の箱という認識が一時期ありました。
本当にそうでしょうか?
私は今急に立方体のサイコロが作りたくなりました!(急に!)
- 木を削って作れそうな気がします。
- もしかしたら今食べ終えたステーキの骨を削っても良いかもしれません。
- 地面に四角い穴を開けて、鉛を溶かして流し込んで冷えたら四角くなりそう。
- 折り紙が手元にあるので、上手く折ったら箱になるかな?
- 紙を正方形に切って1000枚くらい重ねて貼れば、サイコロになるかも?
急にサイコロを作りたくなる人がいるのかはさておき、いくつか作る方法がありそうです。このなかで大変そうなのは手で貼るには時間がかかりそうな5番かなと思いますが、3Dプリンターの仕組みはまさにこれなのです。
すなわち3Dプリンターを簡単に説明すれば、薄い形を何枚も重ねていけば立体物が作れる。けど、手でやるのはとっても手間がかかるので、機械に任せよう!という機械なのです。
薄い形を作るには・・・
3Dプリンターの簡単な仕組みが分かったところで、次に薄い形あるものを自動で作るのはどうしたら良いでしょうか?
ここで3Dデータの登場です。
皆さんは映画を見ますか?
3DCADに馴染みがなくても、3DCGで作られた映像作品は多くの人が目にしていると思います。空想上の怪物だったり、太古の昔に絶滅した生き物だったりが、人と一緒に今そこに存在しているように見えて凄いですね。それらはほとんどが3Dデータで作られているのですが、このようにあなたが3Dプリンターで作りたい物を、まず初めにパソコンの中で3Dデータで作ります。次に、それをパソコンの中で輪切りにすると薄い形のデータが出来上がります。あとは実際にできあがったデータの形どおりに機械で作って重ねていきます。
3Dデータを作成できるソフトは無数にあるのですが、輪切りにしやすいデータ形式ではありませんでした。その為、3Dプリンターを実用化させた人が専用にSTL形式(Stereolithography=光造形法)と言うファイル形式を作り、標準化されています。
実際のデータの流れとしては
- 3D専用ソフトで3Dデータ作成
- Stl形式に変換(書き出し)
- 3Dプリント専用ソフトで読み込み
- 3Dプリントデータとして輪切りのデータ作成
- 3Dプリント
- 完成
このような流れになります。
「魔法の箱」「3Dプリンター」という名前から、実物をコピーできると勘違いする人が非常に多いのですが、それは間違いで、3Dプリントをする為には3Dデータが必ず必要になります。
もし立体物がコピーできるのであれば、それは3Dコピー機と呼ばれるのでしょう。
まとめると、3Dプリンターは3Dデータを元に、薄い形を積み重ねて立体物を作る機械という事です。
そしてどのように薄い形を作り、どのように重ねていくのかの違いが、3Dプリンターの機種の違いとなります。
まとめ
3Dプリンターに3Dデータは必ず必要になります。一見自分ですべて行うにはハードルが高いですが、フリーソフトも存在しますし、協力してくれる人がいればそれほど難しいものではありません。もし3Dデータを手元に用意することが出来なくても、多くの3Dプリントサービスは3Dデータを作る技術を持っているので事前に確認してみましょう。
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