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公開日:2024.04.11
自費出版の方法とは?製本までの流れやメリット・デメリットを詳しく解説します!
「自分の本を出したい」「書籍を出版して自社の事業やサービスについて広めたい」と考えている方にとって、手軽に利用できる方法が自費出版です。自費出版であれば、誰でも本を出版できます。
本記事では、 自費出版の方法や製本までの流れについて解説します。また、自費出版のメリット・デメリットについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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自費出版とは
自費出版とは、文字通り書籍などを自分の費用で出版することを指します。出版といえど、その作業工程は執筆から印刷、販売まで、多岐にわたります。
出版社などが出す書籍は流通ルートなども確保されていますが、自費出版物は個人単位での販売が主となります。
印刷会社へ依頼して出版物を製作する場合、ひと昔前まではあらかじめかなり多くの一定部数を刷らなければなりませんでした。
そのため、数十万円・数百万円という費用が必要でしたが、現在では、少数部数を低コストで印刷する技術が印刷業界全体に浸透しています。
このような理由から、多くの出費を覚悟しなくても、少ない部数からの印刷・出版が可能になりました。また、小説や絵本などの文献のみならず、ブログ本や自分史、写真集やイラスト集などの自費出版も、以前と比較するとかなり容易になってきています。
自費出版の方法とは
自費出版の方法は大きく「出版社を経由する」と「個人で印刷する」の2つに分かれます。
出版社を経由する場合は書店で販売するのが一般的で、流通を目的としています。一方、個人で印刷する場合は、個人で楽しんだり、個人で販売したりするのが一般的で、記録を目的としています。ここでは、方法ごとのさらに詳しい内容をみていきましょう。
①出版社を経由する
商業出版という形式の場合、必然的に出版社を経由することになります。これにより、本の品質維持やデザイン、校正、印刷、そして流通までの一連のプロセスをプロの手に委ねられます。
また、書店やオンラインの大手通販サイトでの販売も視野に入れることが可能です。さらに、自費出版を通じて出版社との関係を築けば、将来的に「著者負担なしの商業出版」への道が開かれる可能性もゼロではありません。
②個人で印刷する(個人出版)
すでに一定の固定ファンが存在している、あるいは明確なターゲット市場が存在する場合、自身で印刷して販売するという方法も選択肢の1つです。ターゲットの市場が明確であれば、必要な部数の判断がしやすく、在庫を適切に管理できます。
しかし、このアプローチではデザインや校正、印刷、販売まで、すべての工程を1人で管理しなければなりません。出版社のサポートを受けられないため、作品の品質が低下するリスクがあります。
ですが誰かの手に委ねられることなく、自分なりの表現ができる1冊を作り上げることができるのが魅力です。
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個人出版によくある本の種類
自費出版の中でも、個人印刷で制作するものには下記のような例があります。
- イラスト集
- ポートフォリオ・作品集
- 漫画・同人誌
- 自作の絵本
- 自分史・自伝
少部数で必要な数量だけ印刷するケースが多い出版物といえます。
製本するのに適したデータの作成方法、面付の仕方など、事前に確認することで印刷~製本までスムーズに行うことができます。
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自費出版の製本までの流れは5ステップ
ここからは、自費出版(個人出版)での製本までの流れを解説します。
- ステップ1. 企画・構成を組み立てる
- ステップ2. 原稿や図版を用意する
- ステップ3. 紙面デザインやレイアウトを作成する
- ステップ4. 校正・校閲を実施する
- ステップ5. 印刷会社にデータを入稿する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
ステップ1. 企画・構成を組み立てる
出版したい書籍のアイデアを具体化し、その企画と構成を考えます。出版する本のジャンルやテーマが決まったら、本の構成を練り上げ、判型やページ数、装丁、レイアウトなどの細かい部分まで計画します。
ステップ2. 原稿や図版を用意する
図版や写真を使用する場合、それらも同時に準備を進めなくてはなりません。また、すべてのコンテンツが著作権に違反していないかチェックも忘れないでください。
自分の作品として使用する素材は、正当な権利を持っているか、正しく引用しているかを慎重にチェックしましょう。
ステップ3. 紙面デザインやレイアウトを作成する
出版社経由で出版する場合、専門のデザイナーがおり装丁やページレイアウトを通じて、本の魅力を引き立てるデザイン提案を行います。
しかし個人出版の場合、自身でそれらのデザイン作業を行うため、オリジナルのレイアウトや作者のこだわりを反映できます。
本の質を向上させるために、原稿や図版の追加や配置変更を検討し、必要に応じて素材を追加するなど、魅力的な書籍を作っていきましょう。
ステップ4. 校正・校閲を実施する
印刷前に最終確認を実施し、誤字脱字や文法の誤り、レイアウトのズレなどを徹底的にチェックします。出力した紙面やPDFファイルを使い、視覚的にも内容的にも間違いがないか確認しましょう。
校正はテキストの誤りを指摘する作業であり、校閲は内容の矛盾や不自然な表現、事実の誤りを見つける作業です。著作権に関する問題もこの段階で再度確認します。
自費出版では著者自身で校正・校閲を実施するケースもありますが、客観的な視点からのチェックを取り入れると、より質の高い出版物の作成が可能です。
ステップ5. 印刷会社にデータを入稿する
商業出版の場合、本のデータは最終確認を経て印刷のために印刷会社に送られ、本を印刷する前に色校正という工程が実施されます。色校正では、実際の印刷物にどのように色が出るかチェックし、写真や図版の色味が正確に再現されているか確認する作業です。
個人で出版する場合、色校正まで行う場合の費用・手間も自身で担うこととなります。色にこだわりのあるページ部分だけ確認する、色見本を用意して再現したい色合いについて事前に印刷会社へ相談する、といった対応が良いでしょう。
色校正段階で色の調整が必要となった場合は、印刷会社にフィードバックを送ります。色校正での確認が終わり、すべてが問題なければ本の印刷を開始します。
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個人で出版するメリットは2つ
次に、自費出版のメリットを紹介します。
- 自由に制作できる
- 出版後のさまざまな活動に生かせる
それぞれについて詳しくみていきましょう。
①自由に制作できる
商業出版の場合、市場のニーズや編集方針によって、著者のオリジナルなアイデアや表現が変更されるケースが少なくありません。これは、本をより多くの人に読んでもらうための戦略として理解できますが、著者の創作意図とは異なる方向に導かれる可能性があります。
しかし、個人で出版する場合は、著者が内容からデザインに至るまですべての創作活動において主導権を握っています。これにより、著者独自の視点やメッセージを純粋な形で読者に伝えることが可能です。
②出版後のさまざまな活動に生かせる
個人で出版する場合、著者自らが書籍の所有権を保持するため、流通や利用方法に関して自由に選択できます。
これは、書籍を個人的なネットワーク内で配布したり、自身の事業やサービスのプロモーションツールとして活用したりする場合に有効です。
たとえば、事業者は自費出版した書籍を取引先への贈呈品としたり、セミナーや講演会での資料としての利用も可能です。また、自費出版した書籍を通じて、自身の専門知識や経験を広く共有し、個人ブランドの構築や企業のブランディングにも活用できます。
個人で出版するデメリットは2つ
次に、自費出版のデメリットについて解説します。
- 出版にはコストがかかる
- 権威性や信頼性に欠ける場合がある
それぞれについて詳しくみていきましょう。
①出版にはコストがかかる
著者は原稿の作成からデザイン、印刷、流通に至るまでのすべての費用を負担します。出版技術の進歩により、以前に比べてコストは下がってきているものの、出版にかかる総費用は軽視できない金額です。
個人で出版する多くの場合、商業的な利益を追求するよりも、著者の情熱やメッセージを伝えたいという強い動機に基づいて制作されています。そのため、費用回収よりも自己表現や目標達成が主な目的となるケースが多いです。
この観点から、自分の思いを形にするための必要経費と捉える必要があります。
②権威性や信頼性に欠ける場合がある
商業出版の場合、出版社が厳しい審査プロセスを経て書籍を出版するため、出版される作品には一定の品質が保証されており、読者も信頼する傾向にあります。
一方で、個人での出版は著者が費用を支払えば誰でも出版が可能であるため、商業出版された書籍と比較して権威性が低いと見なされがちです。
現代では誰もが容易に本を出版できる環境があり、市場には数多くの書籍が溢れています。そのなかで自費出版した書籍が注目を集め、読者に選ばれるためには、ほかの書籍との差別化が必要です。
自費出版の方法でよくある3つの質問
最後に、自費出版の方法でよくある質問を紹介します。
- 質問1.自費出版で得られる利益は?
- 質問2.自費出版にかかる期間の目安は?
- 質問3.自費出版の注意点は?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1. 自費出版で得られる利益は?
商業出版の出版形態であれば、著者に支払われる印税は売上の約10%ですが、自費出版の場合、この比率は20%以上に達するケースがほとんどです。
たとえば、売上の30%が著者に還元されると想定した場合、本の価格が1,500円であれば、1冊売れるごとに450円が著者に支払われます。このように、自費出版では売上の大部分が直接著者の収益となるため、販売戦略によっては大きな利益を得られます。
質問2. 自費出版にかかる期間の目安は?
自費出版にかかる期間は、著者が準備する速さや出版社の対応能力によって大きく変わりますが、一般的には3か月〜10か月程度が目安です。
プロセスは大きく分けて企画・構成、原稿や素材の準備、レイアウト、校正・校閲、そして印刷・製本のステップに分かれており、それぞれの期間の目安は以下のとおりです。
- 企画と構成:2週間から1か月
- 原稿や図版の準備:2週間から6か月
- レイアウト作成:2週間から1か月
- 校正・校閲:2週間から1か月
- 印刷と製本:1か月程度
質問3.自費出版の注意点は?
自費出版を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
- 見積もりの金額の妥当性
出版にかかる費用の見積もりが妥当かどうか確認する。極端に高い、または安すぎる金額は問題がある可能性が高い
- 出版社の評判と口コミ
出版を依頼する会社の評判や口コミをチェックし、信頼できるパートナーかどうかを見極める
- 契約書の内容確認
契約にサインする前に、契約書の内容を細かく確認し、理解したうえで合意することが重要となる
まとめ
本記事では、自費出版の方法や製本までの流れについて解説しました。
自費出版を利用すれば、誰でも自由に本を出版できます。また、所有権を自身で持つことになるため、流通や利用方法に関して自由な選択が可能です。
一方で、自費出版にはコストの問題や商業出版と比べた場合に信頼性や権威性の観点で劣るというデメリットもあります。自費出版を検討している方は、これらのメリット・デメリットについて、正しく理解したうえで、印刷会社へ相談してみてください。
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