ホーム お役立ちコラム DMマーケティングで効果測定するために重要な3つの数値。目標指標や効果を上げる方法も解説
更新日:2024.08.07
DMマーケティングで効果測定するために重要な3つの数値。目標指標や効果を上げる方法も解説
ダイレクトメール(DM)の施策が、集客や売上に結びついているか把握できていない人も多いのではないでしょうか。ダイレクトメールを送付した後は効果測定を実施し、どのようなアクションがどれだけあったのか検証する作業が欠かせません。
本記事では、ダイレクトメールの効果測定で重要な数値や効果測定に用いられる5つの指標について解説します。また、ダイレクトメールの効果を測定する方法や効果を上げるポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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DMマーケティングとは?
DMマーケティングとは、ダイレクトメール(DM)を活用して特定の顧客層に直接アプローチする販促手法のことです。個別化されたメッセージを郵送で届けることで、高い開封率と反応率が期待できます。
効果的なDMマーケティングに必要な要素は、ターゲット選定、魅力的な内容、そして効果測定が不可欠です。DMは、デジタル時代においても有効な手段であり、特に既存顧客との関係性構築や新規顧客の獲得に威力を発揮します。
しかし、その効果を最大化するには、適切な効果測定と継続的な改善が必要不可欠です。
ダイレクトメールの効果を上げるには「データ分析」がマスト
ダイレクトメールの効果を最大化するためには、データ分析によって費用対効果を分析し、課題を改善する必要があります。また、効果的なデータ収集には、目標と指標の選定が重要です。
正確かつ有益なデータを収集し、施策に反映できれば、ダイレクトメールによる集客や売上拡大の効果が見込めるようになります。
ダイレクトメールの施策を実施する際は、データ分析に必要な数値や指標を必ず把握し、設定するようにしましょう。
ダイレクトメールの効果測定で重要な3つの数値
ダイレクトメールの効果測定で重要な数値について解説します。
- 総DM費
- LTV(顧客生涯価値)
- BEP(損益分岐点)
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.総DM費
総DM費とは、ダイレクトメールの企画、制作から発送までにかかるすべてのコストの総合計です。これには、デザイン制作費や印刷費、封入作業費、配送費、反応を促すためのインセンティブの費用などが含まれます。
具体的には以下のように計算されます。
- 総DM費 = 制作費 + 印刷費 + 発送準備作業費 + 配送費 + インセンティブ費用
ダイレクトメールを効果的に活用するには、これらの費用を明確にし、施策の効果を総DM費と比較する評価が重要です。
2.LTV(顧客生涯価値)
LTVは1人の顧客が企業にもたらす長期的な利益や売上を示します。実際のビジネスシーンでは、具体的な月数や年単位に分けてLTVを算出し、特定の商品やサービスに関する顧客の価値を評価します。
たとえば、1年間を区切りとしてLTVを計算する場合は、以下の式です。
- LTV(円) = 1年間の総粗利益 ÷ 1年間の総新規顧客数
LTVを把握すると、顧客獲得にかけたコスト(CPO)の適正さが評価できます。たとえば、LTVが60,000円の場合、顧客1人あたりの獲得コストが59,999円以下ならば、1年間で利益を出すことが可能です。
この数値を基に、DM施策にどれだけの予算を割り当てるべきか、どのぐらいの受注率を見込めばよいのかなど、より戦略的なマーケティング計画を立案しやすくなります。
3.BEP(損益分岐点)
BEPはダイレクトメールにかかる総費用が回収されるために必要な最低限の受注件数を示しています。
具体的な計算方法は以下のとおりです。
- BEP = 販促費 ÷ 粗利単価
この計算により、キャンペーンがいつ利益を生み出し始めるか知ることができます。BEPが明確になれば、キャンペーンの費用対効果が評価でき、必要な改善策を検討する基盤づくりになります。
ダイレクトメールの効果測定に用いられる5つの目標指標
次に、ダイレクトメールの効果測定に用いられる目標指標について解説します。
- レスポンス率
- CVR(コンバージョン率)
- F2転換率
- CPR(レスポンス獲得単価)
- CPO(顧客獲得単価)
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.レスポンス率
レスポンス率は、送付したDMに対してどれだけの人が具体的なアクションを起こしたかを示しており、問い合わせや資料請求、QRコードの読み取りなど、さまざまな形でのリアクションを含みます。
なお、レスポンス率は以下の式で求めることが可能です。
- レスポンス率 (%)= レスポンス件数 ÷ DM発送数 × 100
この指標の活用により、DMの設計や内容がどのぐらい効果的だったか評価でき、必要に応じて今後のマーケティング戦略に反映できます。なお、レスポンス率は、日本政策金融公庫が公開している「売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術」によれば、0.5%〜1.0%程度となっています。
参考:売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術|日本政策金融公庫
2.CVR(コンバージョン率)
CVRは、DMを受け取った対象者が実際に商品を購入したり、サービスに申し込んだりするなど、企業が最終目標とする行動を何人が取ったかを割合で示したものです。この数値が高ければ高いほど、DMキャンペーンが成功していると評価されるのが一般的です。
具体的には、次のように計算されます。
- コンバージョン率(%)=コンバージョン件数÷DM発送数×100
この計算により得られるパーセンテージは、DMキャンペーンの成果を数値化し、ほかのマーケティング手法との比較や将来のキャンペーンの改善に役立つ情報となります。
なお、「一般社団法人 日本ダイレクトメール協会」が公開している「DMメディア実態調査2022」によれば、自分宛てのDMに対するCVRは19.3%という調査結果になっています。
参考:「DMメディア実態調査2022」調査報告書要約版|一般社団法人 日本ダイレクトメール協会
3.F2転換率
F2転換率は、初めて商品を購入した顧客が再購入する割合を示しており、顧客のロイヤルティや製品の満足度を測るために有効な数値です。DMを通じて初回購入を促した顧客が、どれだけの割合でリピート購入するかが把握できると、長期的な顧客関係構築の成功度を測定できます。
なお、F2転換率の計算方法は以下のとおりです。
- F2転換率(%) = 再購入件数÷ 初回注文件数 × 100
たとえば、500人が商品を購入し、そのうち100人が再購入した場合、F2転換率は20%になります。この数値を通じて、マーケティング戦略の効果を評価し、顧客維持戦略の改善点を見出すことが可能です。
4.CPR(レスポンス獲得単価)
CPRは、1件のレスポンスを獲得するためにどれだけの費用がかかったかを示しています。DMキャンペーンの効果を測るうえで、CPRは欠かせない指標の1つです。
具体的には、以下の式で計算できます。
- CPR(円)=販促費÷レスポンス件数
この値が低ければ低いほど、少ないコストで多くのレスポンスを獲得できていると評価できます。一方で、CPRが高い場合は、キャンペーンの費用効率が悪いと判断され、戦略の見直しや改善が必要です。
5.CPO(顧客獲得単価)
CPOは、1件の受注を獲得するためにかかったコストを示しています。この指標は、マーケティング活動の費用対効果を評価するのに非常に有用で、収益性を重視するビジネスモデルにおいては不可欠な数値です。
CPOの算出方法は次のようになります。
- CPO(円) = 総DM費 ÷ 受注件数
たとえば、総DM費用が300万円で受注件数が500件だった場合、CPOは以下のように計算できます。
- 3,000,000 ÷ 500 = 6,000(円)
これは、1件の受注を獲得するために6,000円のコストがかかったことを意味します。CPOが低いほど、受注獲得の効率がよいことを示しており、マーケティング活動の効果が高いと判断できます。
また、リピート購入が見込まれる商品の場合は、定期的な受注にかかるコスト、すなわち定期CPOも重要な指標の1つです。これはリピート購入のためのコスト効率を測る指標で、以下のように算出します。
- 定期CP0(円)= 総DM費 ÷ リピート注文件数
ダイレクトメールの効果を測定する3つの方法
次に、ダイレクトメールの効果を測定する方法について解説します。
- 郵送やWebアンケートを実施する
- クーポン券や割引券をつける
- 申し込み番号を記載する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
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1.郵送やWebアンケートを実施する
購入やサービス利用後の顧客に対し、ダイレクトメールの影響をどのぐらい受けたか明らかにするために実施されます。
とくに、ダイレクトメールが購入決定にどれだけ貢献したか知ることができ、顧客の反応や好みに関する貴重な情報を収集できます。
この手法は、顧客の直接的なフィードバックを得られるため、データの信頼性が高いという点がメリットです。さらに、得られた情報は次回のダイレクトメールの企画や、より顧客ニーズに合致した商品開発に活かせます。
2.クーポン券や割引券をつける
ダイレクトメールを受け取った顧客がクーポンや割引券を使用して実際に購入やサービスを利用した際のデータを収集します。これにより、メールがどれだけの反応を生み出したか具体的な数字で把握できます。
とくに、クーポンコードやQRコード、ユニークな割引券番号を設定しておくと、オンラインでの反応も正確に追跡することが可能です。顧客がインターネットを通じてクーポンコードを入力し、申し込みや購入すると、そのアクションはダイレクトメールによるものとして自動的に記録されます。
3.申し込み番号を記載する
それぞれのダイレクトメールに固有の申し込み番号を設定し、顧客がサービスや商品を申し込む際にこの番号を使用すると、どのメールがどれだけの反響を生んだか正確に追跡できます。
現代では、インターネットの利用が一般的であり、オンライン上でのアンケートやQRコードを用いた方法も効果的です。 しかし、すべての顧客がデジタルにアクセスできるわけではないため、郵送やFAXを用いた伝統的な方法も依然として有効です。
ダイレクトメールの効果を上げる4つのポイント
次に、ダイレクトメールの効果を上げるポイントについて解説します。
- ターゲットを明確にする
- 行動につながるオファーをつける
- パーソナライズ化した内容にする
- ターゲットが興味を持つタイミングで送付する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.ターゲットを明確にする
ターゲットが不明確だと、メッセージの届け先が適切でなく、効果的なコミュニケーションができません。
ターゲットを明確にする際には、性別や年齢、居住地域などの基本的な属性から、既存顧客か新規顧客かといった属性も考慮に入れます。
とくに、既存顧客の場合は購入履歴を参考にして、過去の購入傾向に基づきターゲットを絞り込めるため、その効果を発揮しやすいです。DMの内容を決定する際は、ターゲットの興味や関心、ニーズに合わせて、魅力的なキャッチコピーやデザイン、提供する特典などを慎重に選び、既存顧客へロイヤルティ強化やつなぎとめ(F2~)、休眠掘り起しなどを目指しましょう。
2.行動につながるオファーをつける
DMの受け手にとって価値のあるオファーを提案することで、具体的なアクションに導けます。たとえば、以下のようなオファーが考えられます。
- DMを受け取った顧客限定のクーポンやポイントを進呈する
- 期間限定の割引キャンペーンを提供する
- 来店時にDMを持参すると受けられる特典やノベルティを用意する
- 友人を紹介してもらった場合に、紹介者と被紹介者双方に商品券などのリワードを提供する
3.パーソナライズ化した内容にする
受け取った人が自分だけに向けられたメッセージだと感じると、DMに対する興味や関心が格段に高まります。これにより、開封率や反応率の向上が期待でき、DMの目的達成につながりやすくなります。
パーソナライズ化されたDMは、宛名をカスタマイズするだけではなく、内容自体を受け取る一人ひとりに合わせて調整しなければなりません。たとえば、以下のようなアプローチが考えられます。
- 訴求文のなかで受け取り人の名前を言及し、メッセージに個人的なタッチを加える
- 顧客の過去の購買履歴や興味関心に基づき、関連性の高い商品やサービスを提案する
- 顧客が居住する地域に近い店舗のイベントやキャンペーン情報を提供し、地域密着型のメッセージを送る
とは言っても、自分たちでパーソナライズ化した内容を送るためにDMデザインを複数パターンそろえたり、訴求ポイントをそれぞれ変えるとなると、手間や労力がかかります。
そんな時はパーソナライズDMを専門で行っているサービスを利用することで、マーケティング活動がスムーズに進みます。
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4.ターゲットが興味を持つタイミングで送付する
DMの効果を高めるには送付するタイミングも重要です。
ターゲットが興味を持つタイミングでDMを送付できれば、商品やサービスに興味を持ってもらえる可能性が高まります。たとえば、定期的に通う美容院や消耗品の販売などは、顧客の利用周期を予測して送ると効果的です。
また、一般的にDMの反響が高いとされている時期は、1月・4月・9月です。この時期は、多くの人が新生活や新しい取り組みをスタートする時期であり、消費への意欲が高い傾向にあります。
さらに、7月や12月のボーナス前やクリスマスといったイベントの時期も購買意欲が高いため、DMを送るのに適した時期です。
ダイレクトメールの効果測定でよくある3つの質問
最後に、ダイレクトメールの効果測定でよくある質問を紹介します。
- 質問1.効果測定からわかることは?
- 質問2.効果が高くなるDMを作るコツは?
- 質問3.ダイレクトメールの発送代行とは?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.効果測定からわかることは?
ダイレクトメールの効果測定により、マーケティング戦略を立案するための貴重な情報が得られます。主な情報としては、以下が挙げられます。
- 反響の量を把握できる
効果測定を通じて、どれだけの人がダイレクトメールに反応したか、具体的な数値で把握できます。これにはQRコード経由のアクセス数などが含まれますが、直接的な行動に至らないケースもあるため、全体的な認知度の向上を示す指標として理解する必要があります。
- アクセスユーザーの特徴を分析
個々のユーザーに割り振られたパラメータの分析により、関心を示したターゲット層が特定できます。年齢や性別、地域などの情報から、DMの訴求ポイントや改善点を見つけ出すことも可能になります。
- サイト内のユーザー行動を分析
リンク先のWebサイトでのユーザー行動の追跡により、どのようなページが興味を引き、どのような段階で離脱または購入に至ったか詳細に把握できます。顧客の興味やニーズに適切に応えるための戦略を練ることが可能になります。
これらの分析を通じて、ダイレクトメールの効果を詳細に評価し、より効率的で成果の高いマーケティング戦略を策定するための貴重な情報が得られます。
質問2.効果が高くなるDMを作るコツは?
効果が高くなるDMを作成するコツとしては以下が挙げられます。
- 目立つデザイン
ほかの郵便物と区別できるようなユニークなデザインや仕掛けを用いる。たとえば、ノベルティを同封したり、開けてみたくなるメッセージを加えたりする。
- 保存性を高める
受け取った人が捨てずに保管したくなるような価値を提供する。たとえば、カレンダー機能を持たせたり、クーポンや抽選券をつけたりする。
- 外注を検討する
DM制作のノウハウがない場合、プロや経験者に依頼する。クラウドソーシングサービスを活用すれば、コスト効率よく制作の依頼が可能となる。また、自社のニーズに合った専門家を選定すれば、異なる視点からの提案が得られる
これらの点に注意してDMを作成することで、受け取り人の興味や関心を引き、具体的な行動につながる可能性が高まります。
質問3.ダイレクトメールの発送代行とは?
ダイレクトメールの発送代行サービスは、企業が顧客にDMを送るプロセスをサポートするサービスです。このサービスには、広告の印刷や封入、宛名のラベル貼り、郵送といった作業が含まれます。
とくに、大量発送が必要な場合、これらの作業は手間と時間がかかるため、外部の専門業者へ委託するのがおすすめです。
DMの発送代行業者を選ぶ際には、その業者が取り扱うことのできるDMの量、や料金設定、さらには対応の速さや柔軟性など、企業の要望に合致するかどうか検討しましょう。
まとめ
本記事では、ダイレクトメールの効果測定で重要な数値や効果測定に用いられる5つの指標、ダイレクトメールの効果を測定する方法や効果を上げるポイントについて解説しました。
ダイレクトメールを施策に取り入れる場合には、総DM費やBEP(損益分岐点)から費用をどのぐらいかければよいのか事前にチェックしましょう。また、施策後にはレスポンス率やCVRなどの5つの指標により、顧客の反応を確認することが大切です。
また、ダイレクトメールの効果を最大化するためには、パーソナライズ化されたオファーを送付するのが効果的です。
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