ホーム お役立ちコラム 研修資料の作り方は4ステップ。わかりやすい研修資料作りのポイント
更新日:2025.07.11
研修資料を作成する際に「伝えたい内容が多すぎてまとまらない」「資料が長くなりすぎてしまう」という経験がある方も多いのではないでしょうか。研修資料は、ただ情報を詰め込むだけではなく、受講者に「伝わる」構成や工夫が必要です。
本記事では、研修資料の作り方やわかりやすい研修資料作りのポイントをご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
研修資料の作り方は4ステップ
研修資料の作り方は、4つのステップがあります。
- ステップ1. 研修の目的やテーマを設定する
- ステップ2.情報を整理して構成を作成する
- ステップ3.文章や図などの下書きを作成する
- ステップ4.推敲する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
ステップ1:研修の目的やテーマを設定する
研修を実施する際は、研修終了後に受講者がどのような行動を取れるようになっているべきかを明確にしなければなりません。また、受講者の知識や経験に合わせた内容構成が求められます。
たとえば、新入社員向けには基礎的な理解を重視し、中堅社員には応用力を育むような設計が必要です。さらに、参加者が関心を持つテーマや直面している課題を把握しておけば、研修の内容がより実践的かつ効果的になります。 このような調整により、研修の目的が受講者にとって納得感のあるものとなり、習得後の行動変容にもつながります。研修の成果を最大限に引き出すためには、こうした準備段階の丁寧な設計が不可欠です
ステップ2:情報を整理して構成を作成する
単に情報を集めるだけでなく、研修の目的に照らして必要な情報を取捨選択し、受講者にとって理解しやすい順序に組み立てましょう。導入から結論に至るまでの流れを設計して、それぞれのトピックの関連性を意識しながら見出しレベルで整理すると、スムーズな展開が可能です。 また、スライド作成に進む前に、主要なメッセージを第三者に確認してもらうと、論理の破綻や不足を未然に防げます。この段階での丁寧な準備が、質の高い研修資料へとつながります。
ステップ3:文章や図などの下書きを作成する
研修資料の作成では、それぞれのパートの内容を具体化する段階で、情報の伝達方法を適切に選ばなければなりません。すべてを文字で説明するのではなく、視覚的な補助資料として図や表を活用すれば、受講者は理解しやすくなります。
内容に強弱をつけたい場合は、レイアウトやフォントの大きさで工夫して、伝えたい要素が埋もれないようにしましょう。初期段階から完璧な資料を目指すのではなく、全体の骨組みを意識したドラフトの作成が大切です。その後に、見直しで精度を高める前提で進めると、作業効率が向上します。
ステップ4:推敲する
誤字脱字の確認だけでなく、数値や情報の正確性、表現の統一性にも注意を払いましょう。専門用語は、受講者によって理解に差が出る可能性があるため、はじめて出る場合は簡単な説明を添えると理解しやすいです。
また、自分だけで確認するのではなく、ほかのメンバーに見てもらうと客観的な視点が得られ、見落としを防げます。音読や紙でのチェックなど、視点を変えた確認作業を取り入れると、精度の高い資料に仕上がります。
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わかりやすい研修資料作りのポイントは7つ
次に、わかりやすい研修資料作りのポイントについて解説します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
①1ページごとの要素を絞る

研修資料を作成する際は、1枚につき1つの主張に絞る「1スライド1メッセージ」の原則が効果的です。複数の情報を詰め込むと受講者の注意が分散して、肝心な内容が伝わりにくくなるため、焦点を明確にしましょう。
また、スライドは講義を補完するためのツールであり、全文を載せる必要はありません。このため、口頭説明と併せて理解を促す構成が理想的です。伝えたいポイントを簡潔にして、図や文字を見やすく配置しましょう。
②装飾は最低限にする
配色は3色以内に抑えて、メインカラーとアクセントカラーを明確に使い分けると、視認性が向上します。文字色や背景のコントラストにも気を配り、読みやすい配色を選びましょう。
また、フォントも統一して、用途ごとにルールを設けると資料全体に一貫性が生まれます。過度な装飾やアニメーションは控えて、シンプルで整理された構成を意識すれば、信頼性の高い資料に仕上がります。
③レイアウトを各ページで統一する

研修資料を見やすく整理するには、スライドの種類ごとにレイアウトのルールを決めておきましょう。テキスト中心のページと図や表を使うページを区別して、それぞれに適した構成を整えると、視認性が高まります。
また、同じフォーマットを繰り返すと、受講者はページをめくるたびに迷うことなく内容を把握できます。図やテキストを配置する際は、それぞれの関連性を明確にして、余白を適度に設けると、視線の流れが自然になり、ストレスのない閲覧が可能です。
④オブジェクトの位置を揃える
テキストや図表などの位置がスライドごとにずれていると、受講者の視線が散りやすくなり、内容の理解を妨げます。また、整っていないレイアウトは資料全体の印象を損ね、「丁寧さに欠ける」と受け取られかねません。
複数のスライドにわたって同じ要素を配置する場合は、位置やサイズを統一して、垂直・水平の整列を徹底すると、見やすく信頼感のある資料に仕上がります。
⑤関連する情報は近くに配置する
スライド内の情報を効果的に伝えるためには、関係する要素を適切な距離感で配置しましょう。たとえば、図やグラフと補足説明は、離れすぎていると受講者が関連性に気づきにくくなります。 視覚的に近づけて配置すれば、内容のつながりが自然と伝わり、受講者の理解もスムーズです。情報同士の位置関係に意識を向けるだけで、資料全体のわかりやすさが向上して、学習効果を高められます。視線の流れを意識したレイアウトを心がけましょう。
➅図やグラフを積極的に使用する

数値や傾向を示す場合はグラフを用いると、受講者は瞬時に内容を把握しやすくなります。また、文章では伝わりにくい概念や手順は、図解や写真を添えると理解が深まります。
視覚的な情報は記憶にも残りやすく、説明の補助として効果的です。伝えたい内容に応じて、テキストと図のバランスを意識すると、伝達力の高い資料づくりにつながります。
⑦書き込める余白を用意する
研修資料を作成する際は、情報を詰め込みすぎないように注意しつつ、受講者が自ら記入できる余白を設けましょう。メモスペースがあると、参加者は重要な点を自分の言葉で整理しながら学べるため、理解の深化と記憶の定着につながります。
グループワークやディスカッションを含む研修では、自由に書き込める余地があると、主体的な参加を促せます。内容と構成のバランスをとりながら、活用される資料づくりを行ってください。
研修資料の作り方でよくある3つの質問
次に、研修資料 作り方でよくある質問について紹介します。
- 質問1.わかりにくい研修資料の特徴は?
- 質問2.わかりやすい研修資料を作るメリットとは?
- 質問3.見やすいフォントのサイズは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1:わかりにくい研修資料の特徴は?
わかりにくい研修資料の特徴は、以下のとおりです。
- 資料全体としての流れが不明瞭
個々のスライドに内容が詰まっていても、資料全体としての流れが不明瞭であれば、受講者の理解は進みません。このため、研修のゴールや目的を明確にして、構成を作らなければならなりません。 - 内容の難易度が受講者の知識レベルと合っていない
資料作成者や講師は研修内容の理解が深いため、受講者にとって必要な情報と自分が伝える情報にすれ違いが起きやすいです。このため、受講者のリテラシーや理解度を把握して、資料を作成する必要があります。 - 伝わりにくいデザインになっている
視覚的に煩雑なスライドは集中力を妨げ、伝えたい要点が埋もれてしまうおそれもあります。資料作成では、目的に沿った構成、適切な情報量、見やすいデザインを意識しましょう。
質問2:わかりやすい研修資料を作るメリットとは?
- 受講者の理解度を高める
情報が整理され、視覚的にも配慮された資料であれば、受講者は理解しやすいです。さらに、複雑なテーマも明確に伝えられます。 - 知識定着の促進
わかりやすく構成された資料は、研修後の復習にも役立ちます。受講者が後から内容を振り返る際、要点が整理された資料があれば、記憶の定着や実務への応用がしやすくなります。 - 情報共有の円滑化
さらに資料を事前配布すれば、予習効果も期待でき、当日の理解がより深まります。
質問3:見やすいフォントのサイズは?
一般的なビジネスシーン | タイトルは24ptにすれば、PC利用時やプロジェクターの投影時にも視認しやすくなります。 また、スライド上部の見出しは16~18pt、補足説明のテキストは8~9ptが可読性を保ちやすいでしょう。 |
大人数向けの投影用プレゼンテーション | タイトルは36pt以上、見出しは28pt以上、本文は24pt以上に設定すると読みやすくなります。 しかし、会場の大きさや環境によって、見やすいフォントサイズは異なるため投影環境を加味して最適なフォントサイズを設定しましょう。 |
まとめ
本記事では、研修資料の作り方やわかりやすい研修資料作りのポイントをご紹介しました。
研修資料を効果的に作成するには、「目的設定」から「推敲」までの4ステップに沿って進めるとスムーズです。これにより、伝えたい内容がブレずに整理され、受講者にとっても理解しやすい資料に仕上がります。
また、情報を詰め込みすぎず、ページごとの要素を絞ったり、図や余白を活用したりすれば、視覚的にもわかりやすい資料になります。伝わる研修資料を作るためにも、内容と見せ方の両面からの工夫を取り入れましょう。
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