ホーム お役立ちコラム 一般的な印刷用紙のサイズとは?A判・B判の規格サイズを用途別で解説
公開日:2025.08.19
「A4」や「B5」といった用紙サイズには、それぞれ規格があり、用途に応じて使い分けられています。家庭用プリンターや書籍、ポスターなど、身の回りのものを印刷する際は、用途によって使い分けが必要です。本記事では、一般的な印刷用紙のサイズやA判・B判の規格サイズと主な用途をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
一般的な印刷用紙のサイズとは?

印刷用紙のサイズには主に「A判」と「B判」の2種類の規格があり、どちらも「0」のつくサイズを基準にしています。数字が1つ増えるごとに用紙サイズは半分になり、小さくなります。
例えば、「A0」や「B0」は非常に大きなサイズで、ポスターや図面などの大判印刷に適しています。一方で、「A4」や「B5」は日常の書類やノートに使われる一般的な印刷サイズです。
これらの規格は用途に応じて使い分けられており、印刷物の目的に合わせて最適なサイズを選ぶことが重要です。例えば、広告や展示物には大きめのサイズ、書類やプリントにはコンパクトなサイズが適しています。
A判の各用紙の規格サイズと主な用途
次は、A判の各用紙の規格サイズと主な用途について解説します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

A0(841mm×1,189mm):大規模展示会ポスター、施設の壁面タペストリー
A0サイズは、A判の中で最も大きな規格であり、一目で多くの情報を伝える場面で重宝されます。主に大規模な展示会や施設の壁面掲示用ポスターとして活用されることが多いです。
文字や図表を大きくレイアウトできるため、遠くからでも内容が把握しやすいという点がメリットです。日常的にはあまり使用されませんが、視認性を重視する場面で存在感を発揮します。
A1(594mm×841mm):一般的な屋内ポスター、看板、デザイン作品
A1サイズは、新聞の見開きよりもやや大きめで、視認性に優れた用紙として幅広く使われています。ポスターとしては屋内掲示に適しており、商品案内やイベント告知に活用される場合が多いです。また、建築関連の図面やデザイン作品など、詳細な情報を大きく表現する資料にも適しており、実用性と表現力のバランスが取れたサイズであるといえます。
A2(420mm×594mm):図面、壁掛けカレンダー、省スペース重視のポスター
A2サイズは、新聞1ページとほぼ同じサイズ感です。視認性と扱いやすさのバランスが取れているため、壁にかけるカレンダーや中型のポスター、図面に使われる場合が多いです。広すぎず、狭すぎないサイズ感が特徴。
情報をしっかり伝えながら、省スペースで掲示できるため、店舗や家庭、オフィスなどさまざまな場所で重宝されています。大きな情報伝達力と高い実用性を両立した万能な印刷サイズです。
A3(297mm×420mm):パンフレット、メニュー表、資料作成、宣伝パネル
A3サイズは、視認性と携帯性をバランスよく兼ね備えている点が特徴です。主にパンフレットやメニュー表、ポスターのほか、設計図や図面、ちらしなど幅広い用途で活用されています。多くの一般的なプリンターで出力可能な最大サイズであるため、自宅やオフィスでも手軽に資料を作成でき、簡易パネルやポスター、社内資料、プレゼンテーション資料の印刷にも最適です。さらに、文字や画像を大きく配置できるため、情報を見やすく整理したいときにも活用しやすいサイズです。
A4(210mm×297mm):ビジネス文書、契約書、学校のプリント、フライヤー
A4サイズは、日常生活やビジネスシーンで最も一般的に使われる印刷サイズです。学校のプリント、会社で使用する各種書類やマニュアル、販促用のチラシやフライヤーなど、さまざまな用途に対応できる汎用性の高さが特徴です。持ち運びや収納にも適しており、クリアファイルにもぴったり収まるため、整理整頓や書類管理も効率的に行えます。
A5(148mm×210mm):手帳、小冊子、小型POP
A5サイズは、コンパクトさと実用性を兼ね備えた用紙で、主に手帳、ノート、カタログ、小冊子、メモ帳、パンフレット、小型POPなどに使われています。A4の半分ほどの大きさで、カバンに収まりやすく、外出先での使用にも適しています。
机の上でも場所を取らず、ちょっとしたメモ書きや記録に向いているため、日常生活のさまざまな場面で活躍する便利なサイズです。
A6(105mm×148mm):文庫本、はがき、卓上カレンダー、挨拶状
A6サイズは、文庫本やはがき、メモ帳、卓上カレンダーなどによく使われる小型の用紙です。コンパクトでかさばらず、持ち運びに便利なため、外出先での読書やメモにも適しています。バッグやポーチにもすっきり収まるサイズ感ですが、情報をしっかり伝えるだけのスペースは確保されており、小さいけれど実用的な印刷サイズと言えます。
A7(74mm×105mm):ポケットティッシュ広告、ミニステッカー、メッセージカード
A7サイズは非常に小型で、携帯性に優れたサイズです。ワイシャツの胸ポケットにも収まる大きさで、街頭で配られるポケットティッシュの包装広告や、小型のメモ帳、マグネットタイプの簡易広告などによく使われています。 手軽に配布でき、かつ視認性も確保できるため、ちょっとした情報伝達ツールとして多くの場面で活用されています。
A8(52mm×74mm):プライスカード、商品ラベル、ミニカード
A8サイズは、非常にコンパクトで手のひらにすっぽり収まるほどの大きさです。国際規格のA判においてはA7の半分の大きさにあたり、クレジットカードよりも一回り小さいサイズ感。実用性は限られるものの、アイデア次第で個性的な用途に活かせます。
たとえば、プライスカードや宛名シール、タグ、割引券等の実用的なものから、プロモーション用カードやノベルティとしても映える存在です。工夫次第で印象に残るツールとして活用できます。
B判の各用紙の規格サイズと主な用途
次は、B判の各用紙の規格サイズと主な用途について解説します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

B0(1,030mm×1,456mm):ビジュアル広告看板、イベント掲示物、屋外ポスター
B0サイズは、非常に大判で視認性が高いため、大勢の人の目に留まりやすい掲示物に適しています。イベントやキャンペーンの告知、インパクトを重視したビジュアル広告看板などで多用され、広い壁面を活かしたダイナミックな表現に向いています。
また、通行人が立ち止まって内容を確認しやすいため、ブランドイメージの訴求にも効果的です。屋内外の大規模スペースでの掲示に向いています。
B1(728mm×1,030mm):駅やバス停にある広告宣伝ポスター、展示会ポスター
B1サイズは、駅やバス停など公共の場でよく見かける大型用紙サイズです。その大きさは広いスペースでの掲示に適しており、広告や案内表示として効果的に利用されています。
縦横どちらの向きでも目立ちやすく、多くの人の視線を集めるため、交通機関やイベント会場での情報発信に最適なサイズです。
B2(515mm×728mm):展示会パネル、壁掛けカレンダー、ウェルカムボード
B2サイズは、展示会のパネルやウェルカムボード、ポスターなどに適した用紙サイズです。屋内での掲示にちょうどよい大きさで、A1サイズと並んでよく使われる定番のサイズです。さらに、壁掛けカレンダーとしても利用され、比較的広いスペースで情報を見やすく伝えたい場面で重宝されています。視認性と設置場所のバランスがよいため、多彩な用途に対応可能です。
B3(364mm×515mm):電車内の中吊り広告、新聞折込チラシ、メニュー表
B3サイズは電車内の中吊り広告や車両ドア横の広告など、限られたスペースで効果的に情報を伝えられるコンパクトな印刷サイズです。
また、大きめの新聞折込チラシとしても広く使われています。扱いやすく視認性も良いため、広告やポスター、イベント告知、メニュー表など多彩な用途に適しています。扱いやすさと視認性のバランスが魅力のサイズです。
B4(257mm×364mm):ポスティングチラシ、原稿用紙、賞状
B4サイズは、広告チラシ・賞状・チラシ・原稿用紙など幅広い実用用途で活用される、扱いやすく情報量も豊富な印刷サイズです。スーパーの折込チラシもでよく使われており、折り曲げずにそのまま配布できるため利便性が高いです。
B5(182mm×257mm):教科書、雑誌、大学ノート
B5サイズは、教科書や雑誌、大学ノートなど、日常生活でよく目にするなじみ深いサイズです。持ち運びに便利なコンパクトさと読みやすさを兼ね備えており、冊子やプリント類、パンフレット、フライヤーにも適しています。
A4サイズより一回り小さく、机の上で扱いやすい大きさです。学校やビジネスシーンでも多用される定番の印刷サイズ。
B6(128mm×182mm):手帳、卓上カレンダー、コミック単行本
B6サイズは、コンパクトさと使いやすさが特徴で、手帳や卓上カレンダー、青年漫画の単行本などに多く使われています。片手で持ちやすい大きさでありながら、文字やイラストも見やすいため、日常のさまざまなシーンで重宝されます。小冊子やプロモーション用のパンフレットとしても適しており、日常生活やビジネスシーンで幅広く活用されています。
B7(91mm×128mm):店頭POP、小型手帳やメモ帳
B7サイズは、パスポートとほぼ同じ寸法で、小型の手帳や店頭のポップ、商品説明パネルに適したコンパクトな用紙です。ポケットや小さめのバッグにもすっきりと収まるため、持ち運びやすさが魅力です。身近なものだとパスポートもB7サイズです。
視認性も確保されているため、ちょっとしたメモや案内表示として日常のさまざまな場面で活用されています。
B8(64mm×91mm):カード、クーポン券、店頭POP
B8サイズは、日本のB判規格の中で非常にコンパクトな用紙サイズで、一般的な名刺よりも一回り大きいサイズ感です。ショップカードやポップ、クーポン券、小型のフライヤーに適した大きさです。
視認性が高く、コンパクトながら情報を効果的に伝えやすいバランスのよいサイズで、店舗やイベントなど幅広いシーンで活用されています。小さなサイズなので、文字やデザインはシンプルにまとめることが大切です。
家庭やオフィス用プリンターでは印刷が難しいサイズ
家庭用やオフィス用のプリンターには、対応できる用紙サイズや形状に限界があります。以下のようなケースでは、印刷が難しくなるため注意が必要です。
- B3以上(A2以上)の大判サイズ
多くのプリンターはA3までの用紙に対応しており、それ以上のサイズを印刷するには印刷会社への依頼や大判プリンターの導入が必要となります。 - 正方形や短冊形などの変型サイズ
変型サイズは家庭用プリンターでは対応が難しく、印刷後に手作業で断裁する工程が必要となります。断裁には、断裁位置の目印となるトンボの設定や、大きめの用紙が必要となり、手間や精度の面で負担が大きくなります。
このようなサイズを扱う場合は、用途や仕上がりを踏まえて印刷方法を選びましょう。
印刷サイズでよくある3つの質問
最後に、印刷サイズでよくある質問について紹介します。
- 質問① A判・B判規格の由来とは?
- 質問② 規格サイズの縦横の比率は?
- 質問③ A判・B判以外の印刷物の用紙サイズの例は?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問① A判・B判規格の由来とは?
A判は国際標準化機構(ISO)が定めた世界共通の用紙規格ですが、B判は日本独自に開発された規格です。日本では、「菊判」や「四六判」といったサイズが使われていましたが、完成品の大きさにばらつきがあったため、統一規格の必要性が高まりました。
雑誌で使われていた菊判に近いA判は、国際基準として採用され、書籍で多用された四六判に類似したサイズとしてB判が誕生しました。どちらも、面積比で約1.5倍の差があり、短辺と長辺の比率は「1:√2」で、これを「白銀比」と呼び、調和の取れたデザインの基本とされています。
質問② 規格サイズの縦横の比率は?
A判とB判の用紙はサイズが異なるものの、縦横の比率はどちらも「約1:1.414(整数で表すと5:7)」でほぼ同じです。この比率は覚えておくと便利ですが、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真の比率とは異なっています。
このため、A2やB1といった規格サイズのポスターを作成する際には、写真を用紙サイズに合わせてトリミングする必要があります。
質問③ A判・B判以外の印刷物の用紙サイズの例は?
A判・B判以外にも、出版や包装に使われる独自の用紙サイズがあります。主な用紙のサイズとしては、以下のとおりです。
ハトロン判(H判) | 最大サイズは900×1,200mmで、かつては封筒や包装紙に利用されていました。ドイツ語の「Patronenpapier」に由来しており、現在は主に地図や梱包用紙として使われています。 |
四六判 | 788×1,091mmの大きさで、B判よりもやや大きい紙面が特徴です。主に書籍や冊子に使用され、今でも出版業界で広く流通しています。 |
菊判 | 636×939mmのサイズで、新聞用紙としてアメリカから輸入されました。新聞だけでなく、書籍や雑誌にも利用され、安定した需要があります。 |
まとめ
本記事では、一般的な印刷用紙のサイズやA判・B判の規格サイズと主な用途をご紹介しました。
印刷用紙のサイズには、主にA判とB判の2種類があり、それぞれに特徴があります。A判は、国際規格で、ビジネス文書や書籍などで広く使用されており、A4は一般的なサイズです。一方、B判は日本独自の規格で、ポスターや雑誌などに多く用いられます。用紙サイズによって印刷物の用途が異なるため、目的に応じた選択が大切です。
また、B3以上(A2以上)の大判サイズや正方形や短冊形などの変型サイズは、家庭用プリンターでは対応できないため、印刷会社への依頼を検討してみてください。
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