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公開日:2018.05.01

3Dプリントの価格はどうやって決まるの?

  • イーゼル・バナースタンド
  • #スペースコストを削減したい

3DCADでの設計は一段落。手直しは出てくるかもしれないけど次は試作。

今回は前から興味があった3Dプリンターを使ってみたいなぁ、と思ったことありませんか?

でも部内で所有していないし、外注に頼もうと調べてみても価格が良く分からなかったから、
結局いつもの加工屋さんに切削加工で試作を頼んだ、なんていう設計担当者は多いのでは無いでしょうか?

そもそも3Dプリント委託サービスの価格って、どのように決まっているのでしょうか?

 重要なのは、どれだけ材料を使うのか!

よく聞かれるのが、紙の印刷のような価格表は無いの?という疑問。
確かに価格が一覧になっていれば分かりやすいですよね。
そこで比較対象として身近な紙へのプリントを考えてみましょう。

例えばコンビニなどでコピーやプリントする場合、

  • 白黒コピーA3サイズまで1枚10円
  • カラーコピーA4サイズ50円、A3サイズ100円

など、はっきりと定価が決まっています。

なぜ紙のコピーは価格を決めることが出来るのでしょう?
一番の理由として考えられるのは、紙の大きさが決まっている事ではないでしょうか。

これはとても需要なポイントで、例えばA4サイズの用紙の費用と、それに使うインク代(トナー代)は事前に予想が可能です。
一般的なサイズとしては、A4、A3、B5、B4ぐらいでしょうから、事前に定価を設定することが可能です。

一方3Dプリントの場合はどうでしょうか?

大きさについてですが、3Dプリンターの主な利用目的は「設計上の試作」ですので当然作りたいものはその都度設計に合わせたものになります。消しゴムくらいの小さなものから、手のひらに収まらない大きさもあるでしょうし、薄いものから厚いものまで様々です。このように紙で言うA4などの規格サイズは無く大きさはバラバラです。つまり紙のようにA4、A3、B5、B4などの定型の大きさはなく、3Dプリントは大きさが無限に存在することになります。

このようにあらかじめ大きさの基準を決められないため、料金表のようなものの作成は難しい現実があります。

それでは定型サイズを作ってしまえば料金表や定価を作ることが出来るのでは?と言うことで、仮に幅5cm×奥行き5cm×高さ5cmという大きさを考えましょう。

この場合定価を決めることができるのでしょうか?

例えば単純な5cm×5cm×5cmの立方体を作るのであれば、材料費が事前に算出できますので、価格は作ることが出来ます。

でも、5cm×5cm×5cmと言っても、
ひとつはサイコロの形で中まで詰まったもの
ひとつは箱のように中が空いたもの
ひとつはジャングルジムのような格子状のもの
これらを同じ価格と考えることが出来るのでしょうか?

形状を考えてみると、それぞれ外形の大きさは同じですが、必要な材料の量はどうでしょうか?当然スカスカなものは使う材料は少なくてよいですし、中が詰まったものは材料が多く必要でしょう。

結局、外側の大きさが同じだとしても3Dプリントに必要な材料は大きく変わって来ますので、料金はそれに合わせて1つ1つ素材の使用量を計算して算出することになります。

3Dプリントも料金表が出来ればみんな便利!という事は感じているのですが、残念ながら現時点では簡単な料金算出は叶っていません。

価格を算出する為には?

ではどうしたら3Dプリントの料金を算出することが出来るのかと言うと、実際に作りたいものの3Dデータです。作りたい3Dデータを3Dプリンターに送る過程で必要な材料量を計算しますので、そこで初めて判明します。(もしも平面の図面しか手元に無い場合は、3Dデータを作成するところから始める必要があります。)

ここで3Dデータに馴染みがある人は、3DCAD上で体積が分かるから、自分で必要な材料の量も算出できるんじゃない?と思うのではないでしょうか?

私もそう思っていましたが、残念ながらそう上手く行きませんでした。

なぜなら、ほぼすべての3Dプリンターで、製造過程で余分に材料が必要になり、その量は形によって大きく変わります。

例えば3DCAD上ので体積が同じ1000cm3(立法センチメートル)だとしても、形によって、使う材料が1200gだったり、2000gだったりまちまちです。

その為、3DCAD上での予測は非常に難しいです。

大体の外形の寸法から見積りが欲しい
体積がこれぐらいなのでそれを元に見積りが欲しい

こんな気持ちの方は多いと思いますが、どのぐらい材料を使うのかは結局3Dデータを用意して3Dプリンター専用のソフトを使わないと分かりません。

3Dプリンターは3Dデータ前提の機械です。

切削加工との価格比較

最後に多くの試作で使われている切削加工との比較について。

3Dの価格表は出来ないのは上記の通りですが、切削加工との比較についてはどうでしょうか?

切削加工は樹脂の塊を削るので、削る体積が大きく、形状が複雑になればなるほど高額になります。単純な形であれば安価になります。つまり工数に大きく影響を受けます。

3Dプリントは材料を使う量が増えるとその分価格が高くなります。形が単純なものでも細かいものでも、使う材料の量が同じであれば同じ価格です。

つまり、切削加工で高額になる複雑な物ほど3Dプリンターを使えば安価になりますし、単純な形のものは切削加工の方が安くなる傾向にあると言えるでしょう。

このように作りたいものによって向いている加工方法は違いますが、3DCADで設計をしているのであれば、3Dデータを書き出すことで3Dプリンターの見積りは算出されます。

切削加工の場合は、平面図面を要求される事も多いと思いますので、それに比べれば手軽だと言えます。

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