ホーム お役立ちコラム 白インクの印刷(ホワイト印刷)とは?メリット・デメリットやデータ作成の注意点も解説
公開日:2025.04.21
白インクの印刷(ホワイト印刷)とは?メリット・デメリットやデータ作成の注意点も解説

ホワイト印刷は黒や紺色といった濃い色紙や透明素材に白インクを使って、デザインをより際立たせる技法で、パッケージデザインや特殊な販促物の印刷で幅広く活用されています。しかし、白インクならではの注意点もあり、適切なデータ作成や用紙選びが大切です。
本記事では、白インクの印刷(ホワイト印刷)の概要やメリット・デメリット、データ作成の注意点をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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白インクの印刷(ホワイト印刷)とは?
白インク印刷(ホワイト印刷)とは、通常のCMYK印刷では表現できない白色を再現するための印刷技術です。通常の印刷では、白い紙に色をのせてデザインを表現しますが、素材の色が白以外の場合、CMYKのみでは正しい色を出すのが困難です。
このため、透明な素材や色紙に印刷する際、インクの発色が影響を受けます。しかし、白インクを下地として使用すれば、カラー印刷の発色を安定させたり、白色のデザインを際立たせたりできます。 この技術は、パッケージデザインや特殊な販促物の印刷に幅広く活用されているのが特徴です。

市販のプリンターでホワイト印刷はできる?
一般的なプリンターは、白い用紙への印刷が前提のため、白インクが搭載されていません。このため、色紙や透明素材に白を印刷する場合は、白インク対応の特殊なプリンタが必要です。
白インク対応プリンタは、専用の印刷方式を採用している場合が多く、通常のプリンタとは異なる設定や対応用紙が求められます。そのため、基本的には白インクを使用した印刷は専門の印刷会社に依頼する必要があります。
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印刷する素材や用途に応じて、対応機種や適切な印刷方法を事前に確認し、最適な仕上がりを得られるようにしましょう。
白インクの印刷が活かせる素材や活用シーン
次は、白インクの印刷が活かせる素材や活用シーンについて解説します。
クラフト用紙・濃い色の紙

色紙やクラフト紙を使用する場合、通常のインクでは発色が弱まります。このため、白インクを下地として使用すれば、鮮やかな色彩を保ちつつ、紙の風合いを活かしたデザインが可能です。
また、黒や紺など濃い色の紙に直接白インクで印刷すると、シャープで視認性の高い表現ができます。この技術を活用すれば、ポスターやリーフレット、パッケージなどをより魅力的に仕上げられ、ほかの印刷物との差別化がはかれます。
透明の素材

透明なPP素材への印刷で、白インクを使用しない場合、インクの色が透けてしまい、淡くぼやけた仕上がりになりがちです。しかし、下地として白を印刷すれば、鮮やかでくっきりとした発色が可能です。
クリアファイルや透明なグッズ、ノベルティなどを制作する際、この技術を活用すれば、より魅力的な仕上がりになります。白インクによって、透明素材ならではの特性を活かしつつ、印刷のクオリティを高められます。
白インクの印刷によるメリット・デメリット
次は、白インクの印刷によるメリット・デメリットについて解説します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
メリット
白インクの印刷によるメリットは、以下の3つが挙げられます。
①素材選びの範囲が広がる
透明フィルム・金属箔・ホログラム用紙など、通常の印刷が難しい素材への印刷が叶います。
通常のフルカラー印刷では、白色の用紙(下地となる白色)をそのまま利用するため、全体的な仕上がりや質感にイメージギャップが生じる可能性があります。一方、ホワイトインクを活用すればイメージに近い用紙素材を選べ、色味や模様の再現性が高まり、表現の幅が広がります。
②発色がよくなる
色付き用紙や透明素材に白インクを下地として使用することで、上乗せするカラー(CMYK)インクの発色を鮮明にできます。紙色や素材の色に影響されることなく、色の再現性や視認性が良くなります。
たとえば、クラフト紙や濃い色のボール紙に印刷する際、フルカラー印刷より下地に白を敷いたほうが、効果を発揮できます。
③デザイン表現が多様になる
透明なアクリルや塩ビなど、素材と白インクの組み合わせでプレミアムな演出ができます。たとえば、不透明と透明な部分をあえて作り出すことで、メリハリのある仕上がりが可能になります。

デメリット
白インクの印刷によるデメリットは、以下の3つが挙げられます。
①データ作成の複雑さ
デザインデータと白版は別のレイヤーに作成する必要があり、K100%指定などの入稿ルールを守らないと意図しない仕上がりになります。また白版がデザインからはみ出さないよう、注意しましょう。
illustratorやPhotoshopを使ってデータ作成することが多く、ソフトウェアの利用スキルが必要になります。
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②時間とコストが増える傾向
白インクにカラーインクをのせる場合、通常、白インクを先刷りします。白インクが乾いてから、色をのせるためインクの使用量が多くなります。そのため、時間やコストが増加する傾向があります。
②インク密着性の課題
紙や素材の種類によっては、インクの密着が十分に得られない場合があります。
表面がざらついたノンコート紙やエンボス加工された紙では、ホワイトインクが均一に定着しにくく、期待する隠蔽効果が得られない可能性が高いです。事前に素材との適合性を確認し、印刷方法を調整する必要があります。
白インク印刷 データ入稿時のポイント3つ
白インク印刷データを作成する際、大事なポイント3つは以下です。
- デザインと白版が別レイヤーになっている
- 白版は黒ベタ(K100%)塗りをする
- 白版はデザインより少し小さくする
ホワイト印刷を利用する際には、データ作成時に専用の白版データを準備しなければなりません。

また、通常のフルカラー印刷では、白色を指定できないため、ホワイトインクを使用する範囲は黒(K100%)で指定しましょう。この黒色の部分が実際の印刷では白色として出力される仕組みのため、データでは黒に見えても、印刷時には白で表現されます。

また、ホワイトインクを下地に使用して、上からフルカラー印刷を行う場合、白版のデータはデザインよりも少しだけ小さくする(-0.1mm推奨)必要があります。精密な仕上がりを求める場合は、事前にデータ作成のルールを確認して、調整を行うようにしてください。
白インクの印刷 データを作成する際の注意点
白インク印刷は、カラーペーパー類にホワイトインクを下地として印刷して、上にCMYKカラーをのせると、素材の色に影響されずに色味を表現できるのが特徴です。一方でホワイトインクの特性上、淡い色合いはくっきりと出にくくなる場合があります。
これらを防ぐために、「トラッピング処理」や「オフセット処理」を施すのがおすすめです。しかし、専門性の高さが課題になります。このような場合、印刷会社へデータ作成も含めて依頼すれば、色の再現性も高く、イメージ通りの印刷が実現できます。
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作りたいイメージをお聞きし、最適な素材選びや印刷方法をご提案。
透明フィルムや特殊素材にも対応しているので、キレイな仕上がりをお約束します。印刷データのチェックや入稿もスムーズ対応!白印刷への不安やお悩みを解消します。
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白インク印刷でよくある質問
最後に、白 印刷でよくある2つの質問について紹介します。
質問①白インク印刷と顔料白箔の違いは?
白インク印刷はオンデマンド印刷方式で、細かい線や文字の再現性に優れており、QRコードのような細かいデザインも鮮明に印刷できます。
一方、顔料白箔押しは熱と圧力を加えて加工する箔押し印刷であり、印字部分が若干太くなりやすく、繊細なデザインでは細部が潰れる可能性があります。 仕上がりの白の濃さを比較すると、白箔押しはよりはっきりとした印象になり、強調したいデザインに最適です。それぞれの特性を理解して、用途に応じて最適な印刷方法を選択しましょう。
質問②白インク印刷の上手な使い方は?
白インク印刷を効果的に使用すると、デザインの幅が広がります。たとえば、メタルペーパーの上に全面的に白を印刷して、特定の部分だけ白を抜くと、箔押し加工を施したような視覚効果を生み出せます。
全面に箔押しを施すとコストがかかりますが、この方法なら比較的安価に近い仕上がりが実現できて、おすすめです。
まとめ
本記事では、白インクの印刷(ホワイト印刷)の概要やメリット・デメリット、データ作成の注意点をご紹介しました。
白インクの印刷(ホワイト印刷)は、濃い色の紙や透明素材に白インクを使ってデザインを際立たせる技法です。透明な素材や色紙に白インクを印刷すれば、素材ならではの特性を活かしつつ、印刷のクオリティを高められます。
メリットとしては、紙や素材の色に影響されず、より鮮明な発色が可能です。しかし、通常のインクジェットプリントに比べてコストが高くなり、紙や素材の種類によっては、インクの密着が十分に得られない場合があります。
また、白インクの印刷データを作成する際には、専用のホワイト版データを準備しなければなりません。ホワイトインクを使用する範囲は黒(K100)で指定しましょう。 ホワイトインクの特性上、淡い色合いはくっきりと出にくくなり、印刷時に若干の版ずれが生じる可能性があり、ホワイトインクが僅かに見えてしまいます。
デザインに合わせて適切にデータを作成し、ホワイト印刷の魅力を最大限に活かしましょう。
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