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公開日:2025.04.11
IPコラボとは?メリット・デメリットや成功させるポイント、事例まで詳しくご紹介!

IPコラボを検討しているもののメリット・デメリットや成功のポイントがわからずに悩んでいる企業担当者の方もおられるのではないでしょうか。IPコラボでは、自社ブランドとの親和性が高く、消費者にとって不自然ではないコラボレーションが求められます。
本記事では、IPコラボのメリット・デメリットや成功させるためのポイントをご紹介します。また、IPコラボの事例もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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IPコラボとは?
IP(intellectual property)とは「知的財産」のことで、創作物やブランドの独自性を保護するための概念です。とくに、アニメやゲームの分野では、キャラクターや作品の権利を指すのが一般的です。
近年、このIP(知的財産)を活用した企業間のコラボレーションが増えており、これを「IPコラボ」と呼びます。IPコラボでは、異なる企業やブランドが協力し、オリジナルのコンテンツや商品を生み出し、話題性のあるプロモーションの展開を可能にしています。
IPコラボのメリットは3つ
次に、IPコラボのメリットについて解説します。
- 新たな市場や顧客にアプローチできる
- 認知度の拡大が期待できる
- ブランドイメージの向上につながる
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
①新たな市場や顧客にアプローチできる
IPコラボは、新たな市場や顧客層への効果的なアプローチ手段の1つです。異なる企業やブランドのコラボレーションにより、それぞれのファンが相手のコンテンツに興味を持ちやすくなります。
これにより、企業はこれまでリーチできなかった層へのブランドや商品の認知が可能です。とくに、世代や趣味嗜好の異なる層をつなぐことで、従来のターゲット市場を超えた新規顧客の獲得が期待できます。
②認知度の拡大が期待できる
IPコラボは、認知度の拡大にも大きく貢献します。普段その商品に興味を持たなかった人でも、人気キャラクターやブランドとのコラボをきっかけに関心を持ち、購入に至るケースは少なくありません。
また、同じ種類の商品が並ぶなかでも、コラボ商品はデザインのインパクトや限定感によって目を引きやすく、手に取る動機を生み出します。さらに、コラボ企画はファンの間でSNSに投稿されやすく、話題になれば爆発的な拡散も期待できます。
③ブランドイメージの向上につながる
IPコラボは、ブランドイメージの向上にも大きく貢献します。他社IPのキャラクターやブランドイメージと自社の結びつきにより、消費者のブランドに対する印象がより魅力的なものになります。
とくに、コラボ先のIPが持つ世界観や価値観のポジティブな影響によって、自社ブランドの信頼性や親しみやすさの向上が可能です。また、アニメキャラクターとのコラボでは、根強いファン層の支持を得やすく、ブランドへの愛着が高まる傾向にあります。
コラボを通じてブランドとキャラクターのイメージが重なり、キャンペーン終了後も継続的な購買につながる可能性が高いです。このように、IPコラボは一時的な話題性だけでなく、長期的なブランド価値の向上にも寄与します。
IPコラボのデメリット
IPコラボには多くのメリットがある一方で、慎重に進めなければならない課題も存在します。
まず、ライセンス契約の調整が非常に複雑であり、版権元や原作者との合意が得られなければ、企画そのものが成立しない場合があります。また、コラボするIPと自社ブランドとの親和性が低い場合、消費者に違和感を与え、期待した効果を十分に得られない可能性も否定できません。
さらに、IPコラボに過度に依存すると、自社ブランドの独自性が損なわれる恐れがあります。その結果、コラボ終了後にはブランドの魅力が薄れ、ファンや顧客が離れてしまうリスクも考えられます。
IPコラボを成功させるためのポイントは3つ

次に、IPコラボを成功させるためのポイントについて解説します。
- ターゲット層を明確にする
- 限定感のあるオリジナルグッズを製作する
- 親和性を明確にする
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
①ターゲット層を明確にする
IPコラボを成功させるためには、ターゲット層の明確化が欠かせません。売り込みたい層と親和性の高いIPを選ぶことで、商品の魅力を効果的に伝え、売上やブランドの好感度向上につなげることができます。
まず、自社ブランドの特性を分析し、ターゲット層の年齢・性別・ライフスタイルを明確にしましょう。さらに、新たな市場開拓を目指す場合は、ターゲットに適したペルソナを設定し、リーチしたい層を具体化することで、より効果的なコラボ戦略が立てられます。
②限定感のあるオリジナルグッズを製作する
IPコラボキャンペーンでは、オリジナルグッズの展開が効果的な手法の1つです。特に、限定デザインのアイテムは希少価値が高く、ファンにとって特別な存在となります。
これらのアイテムは、キャンペーン終了後もコレクションアイテムとして注目され続けることが多く、ブランドの印象を長期間維持する役割を果たします。そのため、グッズ制作時には、単なるロゴの使用に留まらず、IPの世界観を活かした独自性のあるデザインを施すことが重要です。
③親和性を明確にする
IPコラボを成功させるためには、自社ブランドとの親和性が重要な要素となります。単に人気のあるIPを選ぶのではなく、ブランドのターゲット層とIPのファン層が重なっているか、またはブランドの理念や世界観と合致しているかを慎重に検討する必要があります。
不自然な組み合わせでは、消費者に違和感を与え、期待した効果が得られない可能性が高いです。このため、コラボ相手を選ぶ際には、どのような相乗効果が生まれるのかを明確にすることが重要です。
IPコラボの事例5選
次に、IPコラボの事例についてご紹介します。
- ブルーロック×キンコーズ
- 呪術廻戦×FamilyMart
- ポケモン×ユニクロ
- ワンピース×ミンティア
- ちいかわ×阪急電鉄
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
①ブルーロック×キンコーズ

(参考:ブルーロック×キンコーズ スペシャルマッチ開催! ー手を伸ばせばつかめるリアルがここにー)
「キンコーズ」では、新店舗「渋谷サクラステージ店」のオープン記念イベントとして、大人気アニメ「ブルーロック」とのIPコラボを実施しました。キンコーズの強みである展示イベントとグッズ制作を活かし、ブルーロックの世界観をリアルに再現していると注目が集まりました。
イベントには約1万3千人が来場し、グッズ販売総数は4万点を超えるなど、キンコーズ史上類を見ない集客効果を記録しています。アニメの熱狂的なファン層を取り込み、店舗への誘導だけでなく、ブランドの認知度向上にも大きく貢献した事例です。
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②呪術廻戦×FamilyMart

2023年夏に「FamilyMart」は人気漫画・アニメ作品「呪術廻戦」とのコラボレーションを実施しました。限定販売されたドリンクやドーナツ、おむすびなどのコラボ商品は、それぞれのキャラクターをモチーフにした特別仕様で人気を集めています。
さらに、購入者を対象としたアプリ抽選では、パッケージデザインと連動したクッションやタオルが当たるキャンペーンも展開されました。描きおろしイラストを使用したグッズの配布や、人気声優・中村悠一さんの直筆サイン入りキャンバスボードが当たる抽選も行われ、ファンの注目を集めました。
③ポケモン×ユニクロ

2023年6月、「ポケモン」と「ユニクロ」もコラボレーションを実施しています。ユニクロのTシャツブランド「UT」から、ポケモンキャラクターをデザインしたTシャツが販売され、幅広い世代に向けた商品ラインナップが人気を集めました。
このコラボは毎年継続的に実施されており、過去には「ポケモン ミーツ アーティスト」として、ポケモンと現代アーティストによるデザイン企画も実施されています。ポケモンはユニクロのほか、飲食業界やコンビニなどとも積極的にコラボを展開し、企業のブランド価値向上やファン層の拡大に貢献しています。
④ワンピース×ミンティア

(参考:2023年も登場!「ミンティア ワンピースコラボパッケージ」が本日5月22日(月)から期間限定発売!)
2022年8月から2023年7月にかけて、「ワンピース」と「ミンティア」のIPコラボが2度実施されました。このコラボでは、ミンティアのパッケージにワンピースのキャラクターが描かれ、特別なデザインが採用されています。
また、「ONE PIECE FILM RED」の公開を記念したキャンペーンも展開され、X(旧Twitter)上で「#ミンティアでONE PIECE」と投稿すると、コラボグッズや映画鑑賞券が当たる企画が実施されました。限定デザインによってファンの購買意欲を刺激し、新規顧客の獲得にもつながる施策となった事例です。
⑤ちいかわ×阪急電鉄

(参考:ちいかわ×阪急電車コラボキャンペーン | ちいかわ×阪急電車 | 阪急電鉄)
2023年夏から2024年春にかけて、「阪急電鉄」と人気キャラクター「ちいかわ」がコラボキャンペーンを展開しています。神戸・宝塚・京都線で1編成ずつ運行されたラッピング列車は、車内まで特別仕様となり、ちいかわの世界観を存分に楽しめるデザインでファンの心をつかみました。
沿線の飲食店や菓子店ではコラボフードを販売し、阪急電車のマルーンカラーの制服を着たマスコットデザインや限定グッズも話題になっています。 また、特設フォトスポット巡りやコラボフード購入で参加できるスタンプラリー、オリジナルデザインの1日乗車券など、多彩な企画が展開されました。
IPコラボでよくある3つの質問
最後に、IPコラボでよくある質問をご紹介します。
- 質問1.IPコラボのライセンス料の目安は?
- 質問2.IPコラボの注意点は?
- 質問3.IPビジネスとIPコラボの違いは?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問① IPコラボのライセンス料の目安は?
IPコラボにおけるライセンス料は、一般的に上代(消費者向けの販売価格)の5〜10%程度とされており、多くの場合は5%前後で設定されるケースが多いといわれています。
ライセンス料は、IPの知名度や契約条件、交渉内容によって変動し、企業ごとの取り決めにより異なります。加えて、ミニマムギャランティ(最低支払額)が設定される場合もあり、売上にかかわらず一定額を支払う必要があるケースも少なくありません。これらのコストを考慮しながら、IPコラボを活用しましょう。
質問② IPコラボの注意点は?
IPの運用においては、一般的に「製作委員会方式」が採用されています。この方式では、アニメや映画の制作に必要な資金を複数の企業が出資し、共同で事業を展開します。構成企業には、出版社や映画会社、広告代理店、玩具メーカー、放送局などが含まれ、権利管理や案件の可否判断を行う組織として「版権元」と呼ばれる場合が多いです。
このように、複数の企業が関与しているため、コラボの問い合わせに対する返答には時間がかかり、最低でも1〜2週間、場合によってはそれ以上を要するケースもあります。このため、IPコラボを検討する際は、スケジュールに十分な余裕を持つようにしましょう。
質問③ IPビジネスとIPコラボの違いは?
IPビジネスは、IPの創出とその価値の活用によって収益を生み出すビジネスモデルです。とくに、ライセンス契約を通じた使用許諾料による収益化が一般的な手法とされています。
一方、IPコラボはIPビジネスの一部でありながら、異なる特徴を持ちます。IPコラボでは双方がIPを提供し合い、単独では実現できない新たな価値を創造するのが目的です。IPビジネスがIPの供給に重きを置くのに対し、IPコラボは共同での価値創出が重視される点が大きな違いです。
まとめ
本記事では、IPコラボのメリット・デメリットや成功させるためのポイント、IPコラボの事例をご紹介しました。
IPコラボとは、異なる企業やブランドがそれぞれのIPを活用し、共同の商品やコンテンツを創造するビジネス戦略の1つです。この戦略により、新たな市場や顧客へのアプローチが可能になり、認知度の拡大やブランドイメージの向上が図れます。
しかし、ライセンス契約の調整の複雑さにより、版権元や原作者との合意が得られなければ企画が成立しないケースがあります。さらに、コラボするIPと自社ブランドの親和性が低い場合には、効果が得られないばかりか、自社ブランドの独自性が薄れ、ファンが離れてしまうリスクもあります。
このため、単に人気のあるIPを選ぶのではなく、ブランドのターゲット層とIPのファン層が重なっているか、またはブランドの理念や世界観と合致しているかを慎重に検討しましょう。
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