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更新日:2025.03.03
新人に伝わる新入社員研修のポイントは
資料作成にあり!

新卒社員にとって、仕事の進め方だけでなく社会人としてのマナーを理解する重要な場となる、「新入社員研修」。新入社員研修を成功させるにはどうするべきなのか、悩みを抱える方もいらっしゃるかもしれません。
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そこで今回は、新入社員研修の理解度をより深めるための、資料作成のポイントをご紹介します。
新人社員研修の資料に求められること
まず、新人社員研修の資料にどのようなことが求められるのかを見ていきましょう。
目的を共有できること
新入社員も研修を終えれば各自の配属先で仕事に取り組むことになります。実務面はいわゆるOJT(On-the-Job Training:現任訓練)でフォローすることができますが、「なぜその仕事をするのか」目的を理解できなければ、成果につなげることは難しいでしょう。
新入社員が今後やりがいや目標を持って仕事に取り組めるよう、企業や仕事の最終的な目的(ゴール)を共有できる資料が必要です。ポイントとして、企業が求めている人物像や事業の目的、本質の理解につながる内容を資料に盛り込むことが挙げられます。
「仕事の基本」を教えられること
新入社員は、企業人としてだけでなく社会人としてもスタートを切ったばかりです。
学生から社会人へと人生のステージが移ったことを理解できるよう、仕事の取り組み方や社会人としての心構えといった「仕事の基本」を習得することが肝要です。 例えば、基本的なビジネスマナーの解説を資料に含め、研修の場ではビジネスマナーを教えると同時に「なぜビジネスマナーが必要なのか」を伝えるとよいでしょう。
新入社員研修資料の作り方は5ステップ
次は、新入社員研修資料の作り方について解説します。
- ステップ1.研修スケジュールを明確にする
- ステップ2.身につけさせたいスキルを決める
- ステップ3.配属予定の役職者や若手の意見を取り入れる
- ステップ4.研修の流れに沿った構成を考える
- ステップ5.各ページの内容を作り込む
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

ステップ1.研修スケジュールを明確にする
新入社員研修であれば、参加者がどのようなスキルや知識を身につけるべきかを具体化して、それにもとづいて内容を設計します。たとえば、研修内容にはビジネスマナーやロジカルシンキング、コミュニケーションスキルなど、社会人としての基本を含める場合が多いです。
また、講師を外部から招く場合は早めに依頼して、スケジュールを確定させなければなりません。限られた時間を最大限に活用するため、優先順位をつけて必要な項目を選びましょう。準備段階では、スケジュール作成ツールやテンプレートを活用すると効率的に計画を進められます。
ステップ2.身につけさせたいスキルを決める
新入社員研修を設計する際には、対象者が職場で直面する具体的な業務や状況を考慮して、必要なスキルを洗い出しましょう。たとえば、ビジネスマナーや論理的思考力、コミュニケーションスキルに加え、業務で使用する専門的なスキルも含めると効果的です。
これらのスキルをリストアップした後、具体的な指導内容を検討して、優先順位を決めていきます。また、部署ごとに必要なスキルが異なる場合は、現場担当者と連携しながらの調整が大切です。
このような工夫により、新入社員が実務で活かせるスキルを確実に習得できるようになります。
ステップ3.配属予定の役職者や若手の意見を取り入れる
現場で求められるスキルや知識を把握するために、部署の責任者や若手の社員と話し合いを行いましょう。「どのような準備が役立ったか」や「足りなかったと感じた内容」について意見を聞くと、実際の業務に直結した内容を研修に反映できます。
このような情報収集をもとに、研修資料を具体化して、参加者が実務にスムーズに移行できるカリキュラムを作成するのがポイントです。
ステップ4.研修の流れに沿った構成を考える
受講者が学ぶ順序で資料が構成されていれば、理解が深まりやすくなり、スムーズな学習が期待できます。しかし、順序が不適切だと混乱を招き、学びの効率を下げてしまう可能性があります。
このため、資料の作成前に、研修で扱う内容やスキルを明確にして、それぞれをどのようなタイミングで教えるべきかを検討してから構成を決定しましょう。また、修正の手間を省くためにも、全体の流れを最初に固めてから作成に取り掛かるのが大切です。
ステップ5.各ページの内容を作り込む
情報は必要最小限に絞り、要点を的確に伝える工夫をしましょう。長文ではなく、箇条書きやチャート、図表などを用いると、視覚的に理解しやすいためおすすめです。
また、ページのレイアウトにも注意を払い、フォントサイズや行間、段落配置を適切に設定すると、読みやすさを確保できます。内容が視覚的に整理されていると、受講者が集中しやすくなり、学習効果が高まります。
新入社員研修資料に入れるべき主な内容は3つ
1.新入社員研修のアジェンダや目次
研修資料には目次やアジェンダを設けると、受講者は資料の全体構成を簡単に把握でき、必要な情報を迅速に見つけられます。
それぞれ項目にページ番号を記載して、内容を探しやすく、資料の利便性を高める工夫が大切です。また、アジェンダの作成は研修内容の整理にも役立ちます。項目を視覚化すれば、資料の抜け漏れを防ぎつつ、構成を体系的に整えられます。この工夫により、受講者の理解が深まり、研修の目的を効果的に達成できる資料作成が可能です。
2.ビジネスマナーや社会人としての基礎
新入社員研修では、ビジネスマナーや報連相の意識、コンプライアンスの基本をしっかりと伝えると、職場での信頼関係を築きやすくなります。しかし、ルールや手順を説明するだけではなく、それがなぜ必要なのか、具体的な背景や目的も合わせて説明しましょう。
たとえば、情報漏洩防止やハラスメント対策がどのように企業の信頼や業績に影響を与えるのかを示すと、新入社員も理解しやすくなります。このように基礎を固めると、職場でのスムーズな適応と長期的な成長を促せます。
3.専門的なスキル
新入社員研修では、業務で必要なパソコンスキルやソフトウェアの使用方法を基礎から教えましょう。最近の新入社員はスマートフォンの利用には慣れていても、パソコン操作や業務特有のツールの使用には不慣れな場合が多いです。
このため、研修では基本的な操作方法、使用頻度の高い社内ツールやソフトウェアの実践的な使い方を段階的に指導するのが効果的です。また、一度に多くの情報を詰め込みすぎると混乱を招くため、大切な内容を優先的に教え、徐々にスキルを深めていくアプローチが求められます。
見やすい・分かりやすい資料のポイントは3つ
新入社員が研修内容の理解を深め、資料を役立ててもらうためには、資料が見やすい・分かりやすいことが鍵になります。見やすい・分かりやすい資料を作成するために意識したいポイントを3つご紹介します。
1.研修の流れに沿って作る

受講者が研修中に「今教えられていることは、どこに載っているの?」と資料内を探さなくていいよう、必ず研修の流れに沿って資料を構成しましょう。
一般的に、まず研修のゴールを設定し、ゴールに向けたカリキュラムを策定します。カリキュラムに基づいて資料を用意することになりますが、内容ごとに「大見出し・小見出し・まとめ」で構成を心掛けると、新入社員にも伝わりやすく、後で資料を見返した際も研修内容を思い出しやすいことが期待できます。
2.誰にでも理解できる表現を使う
いくら内容の充実した資料を作成しても、読み手が理解できなければ意味がありません。研修資料で使用する表現は曖昧・抽象的なものではなく、具体的な表現を心掛けましょう。
曖昧な例)「何かあれば適宜対応してください」
具体的な例)「お客様からクレームを受けた場合は、△△の手順に従って対応してください」
また、入社したばかりの新人社員にとっては、専門用語や企業独自の言葉は馴染みがない場合がほとんどです。これらの用語を使用する際は、「〇〇(例:顧客管理システム)」と簡単な説明を加えたり、欄外に注釈をつけたりするとよいでしょう。
例)「KPI」という言葉を使う場合には、「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」と補足説明を加える
補足説明を加えることで、新人社員にも理解しやすくなります。このように誰にでも理解できる表現を意識することで、資料の効果が格段に高まります
3.絵や図を活用する
研修資料には適度に絵や図を取り入れることをおすすめします。文章のみの資料よりも視覚に訴えることができ、研修内容の理解を促せるからです。また、視覚情報は人間の脳に強い印象を与え、情報の記憶や理解を助けるからです。
例)・名刺交換について説明するなら名刺を交換している手元の写真を載せる
・会社の事業規模や具体的な数値を説明する際は、グラフやチャートを用いてデータの傾向や変化を表現する
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研修後も活用できる資料に
研修内容の理解を深める場は、研修の場だけではありません。実務に入ってから見返すことで「そういうことだったのか」と気づくこともあるでしょう。
この気づきは、新入社員研修をブラッシュアップするための重要なヒントでもあります。 研修後も活用できる資料を作成するには、どうすればいいのか「資料の中でできる工夫」と「研修の取り組みでできる工夫」から1つずつ例をご紹介します。
(資料の工夫)メモ用のスペースを設ける
研修で新入社員自身が重要と思ったことや、今後も大切にしたいと思ったことは、適宜メモを取ります。しかし、メモ欄と資料が分離してしまうと、後から見返しても自分が重要と思ったポイントの見直しができません。
あらかじめ資料にメモを入れられるスペースを作っておくと、資料と自分のメモを同時に見返せます。研修時に思ったことも資料とともにフィードバックできるので、新人は自分だけの資料として活かすこともできるでしょう。
(研修の工夫)次に活かす取り組みをする
新入社員研修は、新卒社員にとっては一度きりの研修ですが、企業にとっては毎年行うことです。研修ごとにより理解度を深めて充実した研修を開催できるようにすれば、企業としてより効率よく新卒社員に仕事や社会人としての姿勢を教えられるようになります。
研修後、実際に研修を受けた新入社員に、アンケートや個別面談を通して「研修を受けた感想」を聞くことで、より充実した研修作りに活かすことができます。 また、新人側も疑問や確認したいことが生じているかもしれません。研修したままにするのではなく、フィードバック面談などを通して新入社員個人のフォローもしましょう。
新入社員研修の資料を社内で作るメリット・デメリット
メリット
- 自社の方針や文化を反映しやすい
自社で資料を作成すると、経営理念や価値観を研修内容に的確に盛り込めます。新入社員に会社の方針や文化が伝わりやすい資料構成となります。 - テンプレート化できる
一度完成した資料は、大きな修正なしで効率的に再利用ができます。このため、毎年の修正作業が最小限に抑えられるだけでなく、中途社員研修や他の育成プログラムにも応用できる柔軟性が生まれます。
デメリット
- 人事部や講師の負担が多い
特に研修準備が進む1月〜3月は、入退社手続きや決算対応など、ほかの業務が集中する時期です。人事担当者が十分な時間を割けず、資料の質や完成スケジュールに影響が出る可能性があります。限られたリソースでの対応は、ほかの業務の進行にも支障をきたしかねません。 - 資料の視覚要素や統一性に欠ける可能性がある
社内で複数の担当者が資料を作成する場合、レイアウトやデザインの統一性が失われやすくなります。また、文章主体の資料になりがちで、図表やグラフ、イラストなどの視覚的情報が適切に盛り込まれないことがあります。情報の伝達効率が低下し、受講者の理解度や記憶の定着に悪影響を与える可能性があります。
新入社員研修の資料でよくある3つの質問
質問1.新入社員研修のゴールとは?
新入社員研修の主な目的は、新入社員が社会人としての基礎を身につけ、企業文化を理解し、円滑に職場環境へ適応することです。これには、ビジネスマナーの習得や企業理念の共有が含まれます。
また、報連相の重要性や社内でのコミュニケーションの取り方について学び、業務を円滑に進めるための基盤を築きます。さらに、業務に直結するスキルの基本を身につけ、早期戦力化を図るのが研修の目標です。
このように、個人の成長と企業の一体化を促進するための包括的な内容が盛り込まれています。
質問2.新入社員研修の一般的な期間は?
研修期間は法律で定められているわけではなく、企業や職種によって大きく異なります。平均的には1〜3か月が一般的とされていますが、企業規模や職種ごとの特性に応じて期間は柔軟に設定されています。
- 事務職
専門知識を必要としない場合は1か月程度で研修を終えるケースが多い - 銀行や経理などの専門職
3か月程度の研修期間を設けるのが一般的 - 技術職
事務職と同様に3か月で設定されている場合が多い。しかし、特定のスキルや適性を見極めるため、配属先が研修後に決定される場合もあり、研修期間が長引く可能性がある - 看護師
「共通科目」で315時間、「区分別科目」で15〜72時間が研修期間と決められている。2015年に厚生労働省が施行した「特定行為に係わる看護師の研修制度」を受講した場合、さらに1〜2年の研修が必要となる
質問3.新入社員研修の主な手法は?
新入社員研修の主な手法は、以下のとおりです。
- グループワーク
チームで課題に取り組み、協働力やロジカルシンキングを養い、実務での連携力を高める実践的な方法 - 座学
講義形式で、企業理念やビジネスマナーといった基礎知識を効率よく伝えるのに適している。集中力が低下する可能性があるため、ほかの手法と組み合わせるのがおすすめ - OJT
On-The-Job-Trainingの略で、実際に現場で実務を通じて実施する。PCスキルやファシリティ、業務を教えるのに適している - ロールプレイ、ケーススタディ
実際の役割に応じた演技をするのがロールプレイ、事例をもとに必要な対応や解決法を検討するのがケーススタディと呼ぶ。電話対応や名刺交換、来客対応、営業スキルに適している - レクリエーション
他己紹介やチーム対抗戦など簡単なゲームを研修前に実施して、受講者の心身の緊張をほぐせる。レクリエーションをすれば、チームワークやコミュニケーションも取り方を意識させやすい - メンター制度
新入社員の別部署で年齢の近い先輩社員がメンターとなりサポートする制度。業務上の悩みや人間関係の悩みを相談しやすく、メンタルケアや社会人のあり方を教えるのに適している - ブラザーシスター制度
新入社員と同じ部署の先輩社員が「ブラザー」あるいは「シスター」になり、サポートする制度。メンタル面のフォローや現場での細かな指導に効果的
また、忍耐力を養う「登山」、集中力を養う「座禅」など、さまざまな手法を取り入れている企業もあります。
おわりに
今回は、新入社員研修の理解を深める資料作りのポイントをご紹介しました。
ある程度資料の内容や方針が固まれば、よりスムーズに新入社員研修の理解を深められるようになります。カラーを統一したり、図や絵を入れたりと体裁を整えた資料を作る上では、プリントサービスなどの専門サービスも上手に活用すると良いでしょう。
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