ホーム お役立ちコラム 【担当者必見】業務マニュアルの作成の手順やコツを徹底解説。運用時のポイントもご紹介します!
更新日:2023.06.27
【担当者必見】業務マニュアルの作成の手順やコツを徹底解説。運用時のポイントもご紹介します!
業務マニュアルの作成は重要な業務の1つです。新入社員がマニュアルを読んで業務を覚えられるようにすることはもちろん、業務品質の向上やスピードアップを図るためにも、業務内容をわかりやすく記載したマニュアルの作成が求められます。
そこで今回は、業務マニュアルの作成手順やコツ、運用時のポイントをご紹介します。
マニュアルの作り方のポイントを押さえて、作業の質と効率アップにつながる使いやすいマニュアルを作成しましょう。
業務マニュアルとは?
業務マニュアルとは、業務の効率化を図るために必要な手順書のようなものです。具体的には、業務の方針や業務内容、手順、ノウハウ、判断基準などがまとめられています。
業務マニュアルを作成すれば誰でも同じように業務を遂行しやすくなります。また、業務マニュアルを会社の方針と合わせることで、社員が同じ目標に進んでいくための指針にもなるのです。
業務マニュアルと手順書の違い
業務マニュアルと混同されやすいものに、手順書があります。しかし、業務マニュアルと手順書には全く異なるものです。まず、業務マニュアルは業務の手順や規則、クレーム対処法などを幅広く記載したものです。
一方、手順書は1つの業務について工程ごとに細かいところまで記載します。そのため、業務マニュアルの方が手順書よりも情報量が多くなるのが一般的です。
業務マニュアルを作成する3つのメリット
業務マニュアルを作成する3つのメリットとして、以下の3つがあげられます。
- 業務の効率化につながる
- 業務の属人化を防げる
- 教育にかかる時間や手間を省ける
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット1:業務の効率化につながる
業務マニュアルを作成することで、業務の効率化につながるのがメリットの1つです。業務マニュアルがあれば手順を思い出すことなく作業を進めることができるため、時間の削減にも役立ちます。
また、業務マニュアルをもとに作業を遂行することで、不要な手順や工程を見つけやすくなり、業務の改善にもつながります。
メリット2:業務の属人化を防げる
属人化とは、業務に関する手順や状況などの情報が一部の担当者しか把握できておらず、全体に共有されていない状態を指します。
業務マニュアルがあれば業務内容を共有しやすくなり、業務の属人化を未然に防ぐことが可能です。
さらに、業務に関する手順だけでなくノウハウも共有され、業務の品質も安定しやすくなります。
メリット3:教育にかかる時間や手間を省ける
教育にかかる時間や手間が省ける点も、業務マニュアルを作成するメリットの1つです。
新入社員の入社時や異動などでの引き継ぎの際にも業務マニュアルがあれば、教育や共有にかかる時間や手間を省けます。
新人教育の時間や手間を省くことで別のことに時間を使えるため、生産性向上にもつながります。
業務マニュアルを作成する3つのデメリット
業務マニュアルの作成はメリットばかりではありません。次のような点はデメリットとして挙げられます。
- 融通が利かない社員が出てくる可能性がある
- 作成には手間と時間がかかる
- 社員のモチベーションが下がるケースもある
それぞれの内容についてみていきましょう。
デメリット1:融通が利かない社員が出てくる可能性がある
業務マニュアルを運用すると、融通が利かない社員がでてくる可能性がある点は大きなデメリットの1つです。
業務マニュアルに記載されていることはきちんとこなすものの、それ以上の事態が発生した場合には「マニュアルにないことはできない」といった判断をする社員がでてくるケースもあります。
このような事態を防ぐためにも、業務マニュアルには手順だけを記載するのでなく、商品の存在意義やトラブルへの対応方法などを盛り込むことも大切です。
デメリット2:作成には手間と時間がかかる
業務マニュアルの作成には、手間と時間がかかる点もデメリットとして挙げられます。業務マニュアルの作成は、業務内容の整理やフォーマットの作成、担当者の決定などのさまざまな工程が必要です。
その分、多くの時間と手間がかかります。利用者の負担を減らすためにも、マニュアルを作成するために専用ツールの導入も検討しましょう。
また、弊社「キンコーズ」では、業務マニュアルの作成にかかる手間や時間を削減する「パワーポイントデザインサービス」を提供しています。さまざまなビジネスシーンに応じた資料作成を代行しており、納品後は お客さまで自由に 修正いただけます。
パワーポイント資料のデザイン制作でお困りの場合はぜひ弊社「キンコーズ」へご相談ください。
>パワーポイント資料のデザイン制作サービスについて詳しくはこちらから
デメリット3:社員のモチベーションが下がるケースもある
業ニュ務マアルがあると、社員のモチベーションを下げる場合もあります。なぜなら、業務マニュアルがあると社員はマニュアルに沿った対応ばかりに意識が向き、お客様への意識が薄れるケースがあるためです。
その結果として、お客様との関係性を上手く築けず、モチベーション低下を引き起こすのです。社員のモチベーション低下を防ぐためにも、業務の効率化や平準化といった観点だけでなく、お客様のためになる内容をマニュアルに含めることが大切です。
業務マニュアルの作成手順
まずは、業務マニュアルの作成手順からご紹介します。
手順1.内容を決める
始めに、どこまで業務マニュアルに記載するのか、どのような内容を盛り込むのかを決めていきます。
誰を対象として作るのか、読んだ人に何ができるようになってほしいのかを念頭に置いて、内容を決めましょう。
手順2.マニュアルの構成を決める
内容が決まれば、マニュアルの構成を考えていきます。
構成の流れは、大きい項目から決め、中項目、小項目と決めていきましょう。構成は、業務マニュアルの目次にもなります。
手順3.マニュアル作成へ
内容が決まったら、次は構成通りに仮のマニュアルを作成していきます。
マニュアルができたら、実際にマニュアル通りに仕事をしてみて不足している点や手順など、修正点があれば修正します。
また、関係者にも一読してもらい内容にズレがないか確認しましょう。
わかりやすい業務マニュアル作成のポイント
ポイント1:部門全体の業務内容を把握する
自身が勤務している会社であっても、全部門の業務内容を把握している従業員は少ないでしょう。
「自分の所属部門については詳しいが、他部門についてはあまり知らない」「どの部門のことも大体わかるが、業務の詳細になると答えられない」という場合がほとんどです。
したがって、マニュアルを作る際はどのような業務が行われているかを知る必要があります。
まずは各部門の業務内容を徹底的に洗い出すことから始めましょう。
業務内容は大まかなものではなく、細かいところまでマニュアル化することが求められます。
ポイント2:注意すべき業務を優先的に載せる
業務の中には、ミスやトラブルが起こりやすい業務、作業効率が悪く時間や労力を要する業務があるでしょう。そのような業務は優先的にマニュアルに盛り込みましょう。
マニュアル作成時のポイントは、発生し得るミスやトラブルなどについて、具体的な事例を記載することです。
組織全体で業務情報を共有することにより、未然にミスやトラブルを防げます。マニュアルの内容は定期的に見直しましょう。
ポイント3:読みやすいレイアウト・デザインにする
マニュアルの使いやすさは、レイアウトによっても左右されます。
各業務の意味や目的、仕事全体の流れ、作業工程、求められる水準(各工程の作業時間や品質、達成度など)が一目でわかるレイアウトを考えましょう。
さらに、「チェックリストの欄を設け、業務がスムーズに行われているかを確認できるようにする」「漠然とした目標ではなく、具体的な数値目標を示す」などの工夫をすることで、使いやすさが格段にアップします。レイアウトに悩む場合は、テンプレートを活用するのがおすすめです。
ポイント4:冊子版と電子版の両方を用意する
現行の業務マニュアルが冊子版しかなく、電子データが残っていないケースもあることでしょう。
既存のマニュアルを更新するにあたって紙面に直接書き込みをしたり、1枚1枚手作業でスキャンやコピーをしたりするのは大変です。
電子版のマニュアルがない場合は、紙の書類を電子化するサービスの利用をおすすめします。
業務マニュアルを電子化すれば、新入社員が入社した際の増刷や、作業フローが変更になった際のマニュアル更新作業も容易になります。
電子データを直接PCの画面上で見ることもできるため、マニュアルを持ち歩く必要もなくなります。
ポイント5:印刷会社に依頼する
業務マニュアルは社内でも、印刷して製本することが可能です。しかし、印刷業でない限り、キレイに印刷・製本ができない場合もあります。
そこでおすすめなのが、印刷会社に印刷・製本を依頼することです。高品質な製本が可能なため、見やすく読みやすいマニュアルを作ることができます。
中綴じ製本はもちろん、プラスチックのリングで固定した製本方法や、表紙に厚紙を利用したマニュアルなど印刷会社ならではの製法も可能です。傷みにくい用紙で頑丈に製本してもらうことができます。
ただし、印刷会社によってサービス内容が異なるため、まずはいくつかの印刷会社に見積もり依頼をし、どのようなサービスが受けられるのかをチェックしましょう。
【事務職向け】業務マニュアル作成のコツ
事務職は実際のものを扱うというよりも、数字や文書などの見えない情報を扱うことがほとんどです。
そのため、事務系の作業内容はスピードや手際に差があっても、行った結果に差が出るというわけではありません。
一定の知識と作業手順を身につけることで、仕事をこなせるようになります。
ただし、マニュアルによって成果に大きな差が出てしまうこともあります。事務職向けのマニュアル作成のコツを見ていきましょう。
①情報を整理する
事務職のマニュアルを作成する際は、情報を整理しなければなりません。
まずは、基本情報からの整理を行います。情報システムの仕組みや、情報が記載されているもの、情報の受け渡し方法などが当てはまります。
他にも受注時や納品時などにはどのような情報が発生するのか、担当者はどのタイミングで何を行うのかも整理していきます。
②作業内容を洗い出す
次に作業内容を洗い出していきましょう。
帳票が必要な場合、どのように起票すればいいのか作業手順を確認していきます。また、判断基準も整理する必要があります。
事務職とはいえ、取り扱うサービスによって登録する内容が異なる場合もあるでしょう。こうして取り扱うものによって登録する内容や作業手順が異なる場合は、判断基準やルールなどを整理しておく必要があります。
【製造業向け】業務マニュアル作成のコツ
製造業では、熟練者の中にコツやノウハウを持っている方がいます。そのため、製造業での業務マニュアルでは熟練者の中にある知識を引き出して、文書化することがとても大切です。
熟練者の中にある知識を引き出すには、現場での情報収集が必要です。ヒアリングがうまく行くように、事前に作業工程を整理しておき、全体のアウトラインを作成しておきます。
業務マニュアルを上手く運用するための5つのポイン
業務マニュアルを上手く運用するためのポイントとして、次の5つが挙げられます。
- 定量かつ定性的に効果を測定する
- 担当者を決めて定期的にメンテナンスする
- 不足点や改善点を反映する
- 保存場所を明らかにする
- 更新前のマニュアルも保存しておく
ポイントごとの詳しい内容について解説します。
1、定量かつ定性的に効果を測定する
まずは、定量かつ定性的に業務マニュアルの効果を測定し、結果を踏まえたブラッシュアップをしましょう。定量面では、部署内それぞれに定められたKPIや売上金額などの数字を基準に、業務マニュアルによってどの程度改善されているか確認します。
一方、定性面では業務マニュアルの使いやすさやマニュアルの項目に過不足はないかなどの確認が必要です。
アップデートのルールや運用の仕方などを定め、長期的にブラッシュアップすることで、精度の高い業務マニュアルに近づきます。
2、担当者を決めて定期的にメンテナンスする
業務マニュアルの作成後は、アップデートの担当者を決めて定期的にメンテナンスすることが大切です。
作業手順や業務内容に変更があるのにもかかわらず、業務マニュアルがアップデートされていないと、業務品質の低下につながる可能性があります。
そのため、専門の担当者によるメンテナンスを定期的に実施するための仕組みを構築しましょう。
3、不足点や改善点を反映する
業務マニュアルは作って終わりではありません。いきなり完璧な業務マニュアルを作成するには難しく、都度のアップデートが欠かせません。
そのため、実際に業務マニュアルを利用してもらい、担当者からのフィードバックをもとにアップデートすることで、より使いやすい業務マニュアルになります。
4、保存場所を明らかにする
業務マニュアルを作成したら、保存場所を明らかにしましょう。特にオンライン上に保管する場合、保存場所が分からないと必要なときに利用できません。業務マニュアルを作成しても、社員に使われなければ意味がなくなってしまいます。
そのため、メールやチャットなどで業務マニュアルの保存場所を知らせたり、決められたファイルに保存したりといった工夫によっていつでも閲覧できるようにしてみてください。
>(あわせて読みたい)文書や書類を種類別に分類・管理する方法は?電子化後の活用方法もご紹介
なお「業務マニュアルを探すために業務効率が低下してしまっている」や「安全性の高いデータの保管場所を探している」といった場合は、弊社キンコーズがご提供する「法人向け文書電子化サービス」をおすすめします。
キンコーズの文書電子化は、保管に負担のかかる紙書類を安全で正確にPDFデータにスキャンするサービスです。
スキャン後のデータ活用まで担当営業が「パートナー」として全面サポートしており、お客様の課題を解決に導きます。ぜひ一度ご相談ください。
5、更新前のマニュアルも保存しておく
アップデート前のマニュアルも保存するようにしましょう。業務によっては、過去に作成したマニュアルの確認が必要になるケースがあります。
そのため、更新・保存する際は、アップデート後のマニュアルと混同しないように区別してそれぞれ保存してみてください。
【ケース別】業務マニュアルの作成に役立つツール
ここでは、業務マニュアルを作成する際に役立つツールを、以下のケースに分けて解説します。
- 文章が多い業務マニュアルの場合
- デザイン性が重要な業務マニュアルの場合
- 効率の良さを重視するマニュアルの場合
- 表・リストが多いマニュアルの場合
文章が多い業務マニュアルの場合
文章が多い業務マニュアルの場合は「Microsoft Word」がおすすめです。
Microsoft Wordは印刷をしてもレイアウトが崩れにくく、目次やページ数も自動的に作れます。
ただし、あくまで文章作成ツールであるため、表や図などが作成しにくい点には注意が必要です。
デザイン性が重要な業務マニュアルの場合
業務マニュアルでデザイン性を重視する場合は「Microsoft PowerPoint 」がおすすめです。
Microsoft PowerPoint は、専門的な知識がなくても文字や写真、グラフなどが入った見栄えのするスライドを簡単に作成できます。
また「装飾しやすい」や「自由にレイアウトが決められる」といった特徴もあり、業務マニュアルのデザインにこだわる場合はMicrosoft PowerPoint を活用してみてください。
>(あわせて読みたい)PowerPointでの入稿データの作り方!PDFへの書き出し方法も解説
効率の良さを重視するマニュアルの場合
効率の良さを重視する場合には、業務マニュアルのテンプレート活用をおすすめします。
レイアウトが完成しているテンプレートがあれば文章を入力するだけで利用でき、構成を一から考える必要もありません。
また、業務マニュアルのテンプレートはインターネットで検索すれば無料のものがすぐに入手できる点も大きなメリットといえます。
>(参考)チラシはテンプレートで簡単作成!無料のテンプレサイト6選
表・リストが多いマニュアルの場合
表やリストを多用する業務マニュアルの場合は「Microsoft Excel」がおすすめです。
エクセルは、図やグラフを簡単に作成でき、数字を扱うマニュアル作成に役立ちます。
ただし、印刷するとレイアウトが崩れやすかったり、デザイン性に欠けたりといった点で課題となるケースもあるため注意が必要です。
おわりに
マニュアル作成、と一言でいっても手順やコツ、押さえておくべきポイントが多くありました。
会社組織や部署の行動指針や判断基準となるマニュアル作成業務は、記載する文章構成を決め、細かなデザインへの配慮、共有方法などしっかりと考えて作成へ取り掛かりましょう。
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